2025年現在、リーディングサイアーランキングの上位に名を連ねることも増えてきた注目の種牡馬がシルバーステートです。現役時代はわずか6戦しか経験していないにもかかわらず、その能力は「ディープインパクトの最高傑作」とまで言われた逸材。そんなシルバーステートの産駒たちが続々と競馬場で結果を残しています。
本記事では、シルバーステート産駒の血統的特徴や競走傾向を分析し、POGや馬券での狙い目を考察します。
シルバーステートとは?
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ウインドインハーヘア | Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
シルヴァースカヤ | Silver Hawk | Roberto | Hail to Reason |
Bramalea | |||
Gris Vitesse | Amerigo | ||
Matchiche | |||
Boubskaia | Niniski | Nijinsky | |
Virginia Hills | |||
Frenetique | Tyrant | ||
Femina |
- 生年:2013年
- 父:ディープインパクト
- 母:シルヴァースカヤ(母父:Silver Hawk)
- 主な勝ち鞍:春興S(1600万下)
- 通算成績:6戦5勝
わずか6戦のキャリアながら、すべて1番人気に支持され、3歳春にはクラシック候補として大きな注目を集めました。脚部不安により早期引退を余儀なくされましたが、その切れ味と伸び脚は関係者の間でも高く評価されていました。
血統的な特徴
シルバーステートは、父ディープインパクト×母父Silver Hawkという配合で、芝中長距離に適した構成です。特に母系のシルヴァースカヤは欧州GI馬の近親で、スタミナと底力を秘めた牝系となっています。
そのため、シルバーステート産駒には以下のような特徴が見られます。
- 先行して粘り強い脚を発揮
- 芝の中長距離に適性
- 道悪もこなす
産駒の競走傾向
得意コース
小倉 芝2000m
短い直線と小回りコースのため、加速の早い産駒が好走しやすく、持続力で押し切る展開に強い傾向があります。
単勝回収率の高さからも、「穴馬としての妙味」がある注目コースです。
中京 芝2000m
比較的ペースが落ち着きやすく、逃げ・先行馬に有利な展開になりやすい条件。
この傾向はシルバーステート産駒の特性と合致しており、高い勝率を誇ります。
東京 芝2000m
スローペースの瞬発力勝負にも対応可能な産駒が多く、
長い直線を活かして持続的に伸びる脚を使えるタイプに適しています。
福島 芝1800m
距離適性とコース形態がシルバーステート産駒にフィット。
展開に左右されにくく、安定した成績を残す産駒が多いのが特徴です。
札幌 芝2600m
出走数は少ないものの、勝率・複勝率・回収率いずれも非常に高く、隠れた得意条件。
スタミナ・器用さ・洋芝適性を兼ね備えた産駒が対応しやすく、今後も注目すべきコースです。
牡馬優勢の傾向(コルトサイアー)
シルバーステート産駒には、全体的に牡馬の方が安定した成績を残す傾向が見られます。
特定の血統配合(例:「Northern Dancer+Special」)では顕著ですが、それ以外でも牡馬の方が勝率・回収率ともに高く、重賞級の活躍馬もほぼ牡馬に集中しています。
- 牡馬は中距離(1600~2000m)での勝率・複勝率が高く、特に2000mでは安定感あり
- 牝馬は短距離・早期活躍型が多く、クラスが上がると成績が落ちる傾向
- 芝・ダート問わず、牡馬の方が回収値が高く、馬券的にも狙いやすい
- 代表産駒(セイウンハーデス、リカンカブール、ショウナンバシットなど)も牡馬が多い
このように、シルバーステートは牡馬にスタミナ・持続力・成長力を強く伝える種牡馬であり、特に中距離以上の芝レースではその傾向が顕著です。ウォーターナビレラを筆頭に牝馬も一定の成績は残していますが、馬券的には牡馬を中心に狙うのが効果的といえるでしょう。
傾向まとめ
- 芝向きの産駒が多く、ダート適性は限定的
- 2歳戦から活躍する早熟傾向
- 芝中長距離戦で高い勝率
- スタミナと持続力に秀でたタイプが多く、逃げ・先行脚質が目立つ
馬体・育成傾向
シルバーステート産駒は、スラっとした体型で脚元がきれいな馬が多く、いかにもディープインパクト系らしいシルエットを持ちます。気性面はやや繊細な面があり、折り合いに課題を残すケースもありますが、それだけに育成力のある厩舎や牧場での仕上がりが重要となります。
特にノーザンファーム系の育成馬は完成度が高く、2歳戦から力を出せるタイプが多い傾向にあります。
POG・馬券での狙い方
- 2歳夏〜秋にデビューできるタイプは要注目
- 芝1600〜2000mの条件戦・重賞で実績を上げる傾向
- POGではクラシック路線でも通用するポテンシャルあり
- 重賞級になると末脚勝負に強く、東京・阪神コースと好相性
- 牡馬の方が安定した成績を残す傾向
シルバーステートの代表産駒
セイウンハーデス
牡 黒鹿毛
母:ハイノリッジ
母父:マンハッタンカフェ
調教師:橋口慎介
馬主:西山茂行
生産者:鮫川啓一
主な戦績:七夕賞、エプソムC
リカンカブール
セ 黒鹿毛
母:アンブラッセモワ
母父:Zoffany
調教師:田中克典
馬主:ラ・メール
生産者:辻牧場
主な戦績:中山金杯
ウォーターナビレラ
牝 青鹿毛
母:シャイニングサヤカ
母父:キングヘイロー
調教師: 武幸四郎
馬主:山岡正人
生産者:伏木田牧場
主な戦績:ファンタジーS、桜花賞2着、阪神JF3着
デビューから無傷の3連勝でファンタジーSを勝ち、阪神JF3着、桜花賞2着とG1でも活躍した実力馬。
ショウナンバシット
牡 鹿毛
母:ギエム
母父:Medaglia d’Oro
調教師: 須貝尚介
馬主:国本哲秀
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:若葉S、札幌日経OP、タイランドC、皐月賞5着
重賞こそ勝てていませんが、若葉Sを勝ち皐月賞でも5着に入ったクラシック皆勤の実力馬。
まとめ
シルバーステート産駒は、
- 芝の中距離でキレる脚を使える
- 早期始動型で2歳戦から活躍可能
- ディープインパクト直系の中でも高い完成度を誇る
という特徴を持ち、今後もリーディング上位を狙う存在になっていくでしょう。POGでも、クラシックを視野に入れた指名候補として十分な資質を備えており、「走っても驚かない」ではなく「走るべくして走る血統」として注目に値します。