ヘンリーバローズ。父ディープインパクト・母シルヴァースカヤという、全兄シルバーステートとまったく同じ配合から生まれた良血馬です。現役は2戦(1勝2着1回)で引退したため、競走馬としての実績だけでは語れない種牡馬ですが、その全兄シルバーステートが今やJRAリーディング上位の常連となった現在、同じ母を持つヘンリーバローズへの注目度もじわじわ上がってきています。
2026年5月時点でJRA中央に出走した産駒は53頭・235戦。勝率8.5%・複勝率23.4%・平均人気7.4。重賞勝ち馬こそまだ出ていないものの、ジェットマグナムがホープフルステークス(G1)に駒を進め、ストームサンダーが朝日杯フューチュリティS(G1)出走・萩ステークス(L)3着、ローランドバローズが7戦4勝で3勝クラスを突破してOP昇級確定と、初年度〜2世代目だけで重賞戦線の予備軍が複数顔を揃えています。
そして実データを丁寧に読むと、産駒の本当の得意条件は「京都芝・阪神芝・札幌芝の中距離」と「ダート1400m」。「ダート×」「東京△」「京都△」という従来の印象論は、実態とまったく逆の数字が並んでいます。本稿では、初年度〜2世代目の実データを軸に、ヘンリーバローズ産駒の真の狙いどころを整理します。
ヘンリーバローズ産駒の特徴をひと目で
- 芝もダートもこなす二刀流:芝111戦・複勝率24.3%、ダート121戦・複勝率23.1%でほぼ同水準
- 芝2000mが勝率13.8%でコア距離:芝1500-1600mも勝率11.5%、中距離全般に強い
- ダート1400mが複勝率29.4%:「ダート向きじゃない」は明確に誤り
- 阪神芝が複勝率42.9%:7戦と少サンプルだが勝率28.6%は産駒最強
- 京都芝25戦・複勝率32.0%:産駒の主戦場、勝率も12.0%
- 札幌芝・函館芝の洋芝も◎:札幌芝複勝率44.4%、函館芝33.3%
- 苦手は中山ダ・中京芝・新潟芝:中山ダ18戦勝率0%、中京芝10戦勝率0%
現役時代――2戦で姿を消した良血馬
ヘンリーバローズは2015年生まれ。父ディープインパクト×母シルヴァースカヤという、2歳上の全兄シルバーステートと同じ配合から誕生した良血です。母シルヴァースカヤはフランスで重賞を勝ち、凱旋門賞にも出走したヨーロッパ仕込みの牝馬。日本に渡って繁殖牝馬として活躍し、社台ファームを代表する繁殖の一頭となりました。
2017年2月の阪神芝1800m新馬戦でデビューし、タイム差なしの2着。続く未勝利戦では単勝1.1倍の圧倒的人気に応えて快勝しましたが、その直後に脚部不安を発症して引退。わずか2戦という現役生活は、これも全兄シルバーステート(3戦2勝で引退)と重なります。重賞すら走れずに種牡馬入りした馬は珍しくありませんが、走った2戦の内容と血統的な素質から、種牡馬としての需要は十分にありました。
2020年からイーストスタッドで種牡馬入り。配合数は決して多くなかったものの、堅実な質の牝馬が集まり、2024年6月に初年度世代(2021年生まれ)が中央デビュー。そこから2世代目(2022年生)・3世代目(2023年生)と着実に層を厚くしてきています。
血統背景――全兄シルバーステートとの近似
父ディープインパクトの血筋は説明不要として、注目すべきは母シルヴァースカヤとその父Silver Hawk(Roberto系)です。Roberto系は欧州の中距離戦線で「先行して粘り込む」タイプを多く出してきたサイヤーラインで、ディープインパクト系の高速馬場対応力と組み合わさることで、「切れ味勝負ではなく持続力で押し切る中距離馬」という独特のシルエットを生み出します。
これは全兄シルバーステート産駒に顕著な特徴でもあり、ヘンリーバローズ産駒にもほぼそのままの形で受け継がれています。実データの「芝2000m勝率13.8%・芝1800m複勝率25.0%」「京都芝32.0%・阪神芝42.9%」という数字は、まさにRoberto系の影響を色濃く受けた中距離馬の指紋といえるでしょう。
実データで見る①:全体成績と馬場別
まず全体像です。2024年6月の中央デビューから2026年5月までの集計です。
| 項目 | 出走 | 勝率 | 複勝率 | 平均人気 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 235戦 | 8.5% | 23.4% | 7.4 |
| 芝 | 111戦 | 9.0% | 24.3% | − |
| ダート | 121戦 | 8.3% | 23.1% | − |
注目すべきは芝とダートでほぼ同じ成績を残している点です。「ディープインパクト系だから芝向き」というステレオタイプ的な見方では、ダートの121戦・複勝率23.1%は説明できません。母父Silver Hawk経由のRoberto系のパワーが、ダート短距離・マイルでも通用するという実証データです。
平均人気7.4で勝率8.5%・複勝率23.4%は、平均より厚い人気にならない馬たちがコツコツ馬券圏内に絡む種牡馬としては、堅実な水準といえます。
実データで見る②:距離別の得意ゾーン
| 距離区分 | 出走 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 芝〜1200m | 14戦 | 7.1% | 21.4% |
| 芝1400m | 9戦 | 0.0% | 22.2% |
| 芝1500-1600m | 26戦 | 11.5% | 26.9% |
| 芝1800m | 32戦 | 6.2% | 25.0% |
| 芝2000m | 29戦 | 13.8% | 24.1% |
| ダート〜1300m | 35戦 | 8.6% | 22.9% |
| ダート1400m | 34戦 | 8.8% | 29.4% |
| ダート1600m | 21戦 | 9.5% | 19.0% |
| ダート1700-1800m | 28戦 | 3.6% | 14.3% |
芝のコアは芝2000m。29戦・勝率13.8%は産駒の全距離区分でトップの数字です。ジェットマグナムが芙蓉ステークス(OP・中山芝2000m)と稲荷特別(3勝クラス・京都芝2000m)の2勝、ローランドバローズが若葉ステークス(L・阪神芝2000m)2着・サンクフルS(3勝クラス・阪神芝2000m)勝ちと、芝2000mが産駒の出世コースになっています。
続いて芝1500-1600m(26戦・勝率11.5%)と芝1800m(32戦・複勝率25.0%)も中距離レンジで安定。芝1400m以下は勝率が下がるので、「短距離より中距離」と覚えればOKです。
ダートでは1400mが34戦・複勝率29.4%でハイライト。〜1300m(35戦・複勝率22.9%)と1600m(21戦・勝率9.5%)も悪くなく、ダート短〜マイルは芝と並ぶ主戦場です。一方、ダート1700-1800m以上は28戦・勝率3.6%・複勝率14.3%と急落。芝もダートも「2000m前後がギリギリ、それ以上は割引」というラインが見えます。
実データで見る③:競馬場別の得意・苦手
競馬場別はヘンリーバローズ産駒で最も差が出る項目です。「東京・京都が苦手」という旧来の印象論を完全に覆す数字が並びます。
| 競馬場 | 馬場 | 出走 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 阪神 | 芝 | 7戦 | 28.6% | 42.9% |
| 札幌 | 芝 | 9戦 | 11.1% | 44.4% |
| 函館 | 芝 | 3戦 | 0.0% | 33.3% |
| 阪神 | ダート | 8戦 | 12.5% | 37.5% |
| 京都 | 芝 | 25戦 | 12.0% | 32.0% |
| 東京 | 芝 | 8戦 | 12.5% | 25.0% |
| 東京 | ダート | 9戦 | 11.1% | 22.2% |
| 中山 | 芝 | 15戦 | 6.7% | 20.0% |
| 小倉 | 芝 | 15戦 | 6.7% | 20.0% |
| 京都 | ダート | 5戦 | 0.0% | 20.0% |
| 福島 | 芝 | 8戦 | 12.5% | 12.5% |
| 中山 | ダート | 18戦 | 0.0% | 16.7% |
| 中京 | ダート | 9戦 | 11.1% | 11.1% |
| 中京 | 芝 | 10戦 | 0.0% | 10.0% |
| 新潟 | 芝 | 5戦 | 0.0% | 0.0% |
阪神芝7戦・勝率28.6%・複勝率42.9%は全競馬場で頂点。サンプルは小さいものの、ローランドバローズが阪神芝2000mで2勝、若葉ステークス2着とパフォーマンスを上げており、決して偶然ではない数字です。札幌芝(複勝率44.4%)も初年度から好相性を示しており、洋芝適性は印象論どおり高い水準。
京都芝は25戦・勝率12.0%・複勝率32.0%という、産駒の最大ボリュームゾーン。京都の長い直線でキレ比べになると不利――という旧来の見方は、実データではまったく支持されません。ジェットマグナムが稲荷特別を京都芝2000mで勝ち、ローランドバローズも京都芝1800m・2000mで結果を出しているように、京都の中距離は産駒のメインステージです。
一方、明確に苦手なのは中山ダート(18戦・勝率0.0%)、中京芝(10戦・勝率0.0%)、新潟芝(5戦未勝利)。「小回り急坂が得意」というイメージとは裏腹に、中山ダートでは1勝もできていません。
実データで見る④:馬齢別・成長型
| 馬齢 | 出走 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 2歳 | 98戦 | 7.1% | 22.4% |
| 3歳 | 114戦 | 9.6% | 26.3% |
| 4歳 | 23戦 | 8.7% | 13.0% |
3歳時の勝率9.6%・複勝率26.3%が最も高く、2歳から3歳にかけて成績が上昇します。全兄シルバーステート産駒に近い「2歳新馬で完成しているわけではないが、3歳春以降に確実に伸びる」タイプ。クラシック前哨戦から春のOP特別で動き出す産駒が多い世代になりつつあります。
4歳になると複勝率が13.0%まで落ちますが、これはサンプル数23戦と少なく、現時点で4歳古馬になっている初年度世代の母数がまだ薄いことが背景です。今後の蓄積で評価が変わる可能性は十分あります。
実データで見る⑤:馬場状態別(芝)
| 馬場状態(芝) | 出走 | 勝率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|
| 良 | 92戦 | 10.9% | 23.9% |
| 稍重 | 15戦 | 0.0% | 33.3% |
| 重 | 4戦 | 0.0% | 0.0% |
良馬場で勝率10.9%、稍重で複勝率33.3%。稍重程度の渋りは馬券圏内に絡みやすい一方、本格的な重馬場以上は4戦未勝利と少サンプルでも警戒が必要です。「道悪に強い」と決めつけるよりは、「軽く渋る程度ならむしろ複勝圏内に絡みやすい」と理解するのが安全です。
実データで見る⑥:重賞・OP特別での実績
| 日付 | レース | 格 | 馬名 | 着順 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/05/10 | 橘ステークス | L | ストームサンダー | 8着 |
| 2026/04/04 | チャーチルダウンズカップ | G3 | ストームサンダー | 7着 |
| 2026/01/31 | クロッカスステークス | L | トミーバローズ | 5着 |
| 2026/01/17 | 稲荷特別 | 3勝クラス | ジェットマグナム | 1着 |
| 2026/01/12 | シンザン記念 | G3 | トミーバローズ | 12着 |
| 2025/12/28 | サンクフルステークス | 3勝クラス | ローランドバローズ | 1着 |
| 2025/12/21 | 朝日杯フューチュリティS | G1 | ストームサンダー | 9着 |
| 2025/11/24 | 東京スポーツ杯2歳S | G2 | ストームサンダー | 12着 |
| 2025/10/26 | 萩ステークス | L | ストームサンダー | 3着 |
| 2025/10/13 | 堀川特別 | 2勝クラス | ローランドバローズ | 1着 |
| 2025/08/23 | クローバー賞 | OP | ストームサンダー | 1着 |
| 2025/04/12 | ニュージーランドトロフィー | G2 | ジェットマグナム | 8着 |
| 2025/03/22 | 若葉ステークス | L | ローランドバローズ | 2着 |
| 2025/03/16 | スプリングステークス | G2 | ジェットマグナム | 8着 |
| 2025/02/09 | きさらぎ賞 | G3 | ジェットマグナム | 9着 |
| 2024/12/28 | ホープフルステークス | G1 | ジェットマグナム | 7着 |
| 2024/11/04 | JBC2歳優駿(中央交流) | Jpn3 | ローランドバローズ | 8着 |
| 2024/09/28 | 芙蓉ステークス | OP | ジェットマグナム | 1着 |
JRA中央の重賞勝ちはまだ出ていないものの、ホープフルS・朝日杯FSという2歳G1への出走、東京スポーツ杯2歳S(G2)・スプリングS(G2)・NZT(G2)出走、萩S・若葉S(L)など、初年度〜2世代目の段階としてはむしろ多彩な戦線に駒を進めています。OP特別では芙蓉S・稲荷特別(ジェットマグナム)、堀川特別(ローランドバローズ)、クローバー賞(ストームサンダー)と4勝。重賞勝ち馬は時間の問題というのが現状の評価です。
集計の前提
本記事の数値は、2024年6月(中央デビュー)から2026年5月19日までのJRA中央競馬の公式記録をもとに集計しています。地方競馬の出走は含まれません。距離区分はJRA中央で実際に施行される距離をベースにバケットを分けており、芝の馬場状態別はサンプル数の都合で良・稍重・重のみ表示しています。
成長型と適性のまとめ
ヘンリーバローズ産駒の典型的なシルエットはこうなります。
- 2歳新馬・未勝利では仕上がりにバラつき、3歳春以降に本格化する遅咲き型が中心
- 距離は芝2000m〜マイル、ダート〜1400mが主戦場、芝1800m〜2000mがコア領域
- 京都芝・阪神芝の中距離が最大のボリュームゾーン、洋芝(札幌・函館)も得意
- 東京芝も実は◎、ローカル芝(中京・新潟)と中山ダートが苦手
- 芝もダートも走れる二刀流で、ダート1400mは複勝率29.4%の好条件
- 稍重程度の渋りはむしろプラス、重以上はサンプル不足
「中距離スプリンター」「先行粘り型」というシルバーステート産駒に近いシルエットを共有しつつ、ダートにも対応する汎用性を持つ――というのがヘンリーバローズ産駒の真の姿です。
馬券狙い目――条件別のスタンス
京都芝2000m前後の中距離:京都芝25戦・複勝率32.0%、稲荷特別(OP)勝ちの実績がある産駒の主戦場。
阪神芝の中距離:7戦・勝率28.6%・複勝率42.9%、サンプルは小さいが頂点級の数字。
札幌芝の中距離:複勝率44.4%、洋芝適性は本物。
3歳春以降の昇級戦・OP特別:2歳より3歳のほうが成績は上、ローランドバローズ・ジェットマグナム型の堅実派が拾える。
東京芝の中距離:8戦・勝率12.5%・複勝率25.0%、印象論で軽視されがちだが実は買える。
函館芝:複勝率33.3%、洋芝適性は札幌と同様に高い。
ダート1400m:34戦・複勝率29.4%、ダート短距離は産駒の隠れた得意ゾーン。
阪神ダート短距離:勝率12.5%・複勝率37.5%、人気落ちなら妙味あり。
稍重〜やや渋った馬場の中距離:複勝率33.3%、軽い渋りはプラス材料。
2歳新馬戦の人気馬:勝率7.1%、特に1〜3番人気は割引で。
中山芝の中距離:複勝率20.0%、平均水準で頭は避ける。
福島・小倉ローカル芝:勝率は出るが複勝率は12〜20%とやや低め。
中山ダート:18戦未勝利・複勝率16.7%、中山ダートは明確に苦手。
中京芝:10戦未勝利、新潟芝も5戦0勝0複と相性悪い。
ダート1700-1800m:28戦・勝率3.6%・複勝率14.3%、ダート中距離は適性外。
芝2400m以上:1戦のみだがサンプル不足、現状は距離適性外と判断。
代表産駒紹介
ジェットマグナム(牡/黒鹿毛)
初年度世代を代表する芝中距離馬。カケハムポニークラブ生産、馬主はHimRockRacingホールディングス、調教師は栗東・安達昭夫。2024年7月の福島芝2000m新馬を3番人気で快勝後、9月の芙蓉ステークス(OP・中山芝2000m)を4番人気1着で制覇。ホープフルステークス(G1)は7着でしたが、3歳になってきさらぎ賞(G3)、スプリングステークス(G2)、ニュージーランドトロフィー(G2)と重賞戦線を歴戦。4歳緒戦の稲荷特別(3勝クラス・京都芝2000m)も3番人気1着で快勝し、15戦3勝・OP特別1勝+3勝クラス突破の堅実派。古馬G3戦線でブレイクの可能性を秘めています。
ローランドバローズ(牡/鹿毛)
中原牧場生産、馬主は猪熊広次、調教師は栗東・上村洋行。2024年9月の中京ダート1800m新馬で2番人気1着デビュー後、JBC2歳優駿(Jpn3・地方交流)8着を経て、芝に転戦。つばき賞(1勝クラス・京都芝1800m)2着、若葉ステークス(L・阪神芝2000m)2着、阪神芝1800m1勝クラス1着、堀川特別(2勝クラス・京都芝1800m)1着、サンクフルステークス(3勝クラス・阪神芝2000m)1着と1勝クラスから3勝クラスまでを一気に駆け上がった堅実派。7戦4勝(4-2-0-1)・複勝率85.7%は産駒中トップで、3勝クラス突破済みのため次走からOP昇級。芝1800〜2000mが完璧にハマるタイプです。
ストームサンダー(牡/黒鹿毛)
2世代目(2023年生まれ)の最有力。北田剛生産、馬主はHimRockRacingホールディングス、調教師は栗東・安達昭夫。2025年6月の函館芝1200m新馬戦2着でデビューし、4戦目までは新馬・未勝利を勝ちきれず苦戦。しかし5戦目の札幌芝1500mクローバー賞(OP特別)で4番人気1着の波乱を起こして勝ち上がりに成功。続く萩ステークス(L・京都芝1800m)3着、東京スポーツ杯2歳ステークス(G2)12着、朝日杯フューチュリティS(G1)9着と2歳重賞戦線を歴戦しました。3歳緒戦のチャーチルダウンズカップ(G3)7着、橘ステークス(L)8着と春は伸び悩んでいますが、10戦1勝で重賞・OP出走8回という経験値は同世代でも貴重。馬体回復次第で重賞戦線に再浮上が見込まれます。
トミーバローズ(牡/鹿毛)
2世代目のもう一頭の有力候補。服部牧場生産、馬主は猪熊広次、調教師は栗東・清水久詞。2025年10月の京都芝1600m新馬戦2着デビュー後、6戦2勝・2着1回・3着1回と堅実に走っています。シンザン記念(G3)は12着に敗れたものの、クロッカスステークス(L・東京芝1400m)で5着と健闘。直近の2026年5月17日東京芝1600mを1番人気1着で勝ち上がるなど、芝マイル路線で着実に経験値を積んでいます。
総評――印象論を捨てて、京都芝・阪神芝・ダート1400mから狙う
ヘンリーバローズ産駒の評価は、これまで「全兄シルバーステートの弟」「ディープ系芝向きの中距離馬」という抽象的な枠組みで語られがちでした。しかし実データは、もっと明確で具体的な答えを示しています。狙いは「京都芝・阪神芝の2000m前後」「札幌・函館の洋芝」「ダート1400m」――この3つを覚えておけば、当面の馬券精度は大きく変わります。
一方、「中山ダート」「中京芝」「新潟芝」「ダート1700m以上」「芝2400m以上」は明確に評価を下げるべきで、印象論で「小回り急坂◎」と決めつけて買うと痛い目を見ます。ジェットマグナム・ローランドバローズ・ストームサンダー・トミーバローズという4本柱が育ってきた今、ヘンリーバローズは「リーディング上位を狙える種牡馬」として、もう一段の評価アップが見込まれる段階に入っています。

