タワーオブロンドン産駒の特徴と狙いどころ

タワーオブロンドン産駒の特徴と狙いどころ 競馬

タワーオブロンドン(Tower of London)は、父Raven’s Pass、母父Dalakhaniという配合からスピードと持続力をバランス良く受け継いだスプリント〜マイル適性の名馬。その資質は産駒にも色濃く伝わり、芝の1200〜1600mで早期から能力を示すタイプが目立ちます。ここでは血統背景と父の現役時代の走りを手掛かりに、産駒の傾向・適性・馬券での狙い方をまとめます。

血統背景:スピード×持続力の黄金比

Raven’s Pass Elusive Quality Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Touch of Greatness Hero’s Honor
Ivory Wand
Ascutney Lord at War General
Luna de Miel
Right Word Verbatim
Oratorio
Snow Pine Dalakhani Darshaan Shirley Heights
Delsy
Daltawa Miswaki
Damana
シンコウエルメス Sadler’s Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Doff the Derby Master Derby
Margarethen

父Raven’s Passはスピード性能に優れ、マイル前後で切れのある決め手を発揮。一方、母父Dalakhaniは欧州の中長距離で威力を発揮する底力血統で、長手のストライドと持続力を供給します。タワーオブロンドンはこの両面を高いレベルで兼備しており、産駒も「速い流れで長くいい脚を使う」パフォーマンスに期待が持てます。

現役時代の歩み

タワーオブロンドンは2017年7月の札幌新馬戦でデビューし、鮮やかな逃げ切りで初陣を飾りました。続くクローバー賞では惜しくも2着に敗れたものの、ききょうSを快勝し、京王杯2歳S(GII)でも力強い末脚を発揮して重賞初制覇。朝日杯フューチュリティS(GI)でも3着と健闘し、早くから世代上位の存在感を示しました。

3歳シーズンはアーリントンC(GIII)を勝利してクラシック路線に挑みましたが、NHKマイルC(GI)は12着と結果を残せず。その後はマイル路線から短距離戦へシフトし、キャピタルS(OP)2着を経て古馬として本格化していきます。

4歳春には京王杯スプリングC(GII)を快勝。夏の函館スプリントS(GIII)やキーンランドC(GIII)でも好走を続け、秋のセントウルS(GII)で鮮やかに差し切り勝ちを収めました。そして続くスプリンターズS(GI)では、後方から豪快に差し切り、悲願のGIタイトルを獲得。スプリント路線における頂点に立ちました。

5歳シーズンも高松宮記念や京王杯スプリングCで上位人気に支持されながら伸びを欠き、香港スプリントでも13着と結果は出ませんでしたが、日本国内の短距離戦線で長く安定した実績を残しました。通算成績は18戦7勝、GI1勝・重賞4勝。1200〜1400mのスプリント・短距離戦で決め手を活かすタイプとして、芝短距離の一線級としてファンの記憶に残る馬となりました。

父の現役時代から読み解く適性

タワーオブロンドン自身は2歳から素質を示し、3歳時には1400〜1600mで重賞級の走りを披露。4歳で1200mのG1タイトルを手にし、スプリント戦でもトップクラスの決め手を証明しました。

現役時代の成績がそのまま産駒に伝わるのであれば、産駒も2歳の早い時期から活躍できる仕上がりの早さとスプリント~マイル戦でのスピードを受け継いだタイプが多くなることが想定されます。

逆にクラシックなど芝中長距離路線では、実際に現役時代にもその路線で活躍したキタサンブラックやキズナ、エピファネイアなどの強力なライバルがいることもあり、苦戦することが予想されます。(そもそも出走する馬も少ないことが予想されますが)

また、ダートも短距離であればこなす産駒も出てきそうですが、中距離以上での活躍はあまり期待できないでしょう。

このとこから、タワーオブロンドン産駒は、父同様に基本的には芝の短距離路線中心の活躍が中心となる可能性が高いと予想されます。

産駒の傾向:芝中心、早期始動に期待

初仔世代から芝での活躍が目立ち、特に新馬・未勝利〜1勝クラスの段階で上位争いに加わるケースが多いのが特徴。馬体の完成度が高いタイプは2歳夏〜秋から前進が見込め、レースセンスと追ってからの持続力で安定して上位に食い込みます。距離は1200〜1600mが主戦場になりやすく、ワンターンのコース形態でスムーズに運べるとパフォーマンスが引き出されやすいでしょう。

距離・馬場適性のイメージ

距離は芝の1200〜1600mが中心。1400mや1600mの“流れに乗って末を伸ばす”条件で強みが出やすく、スプリント寄りの1200mでも追走に忙しくならなければ決め手で勝負可能です。馬場は標準的な良〜やや速い芝がベストで、重〜不良の消耗戦では、ストライド型やパワー型の個体差が結果に直結。総じて時計勝負への対応力が高い一方、タフなロングスパート戦や2000m以上のスタミナ比べは割引が妥当です。

注意点:サンプルの成熟と適性の見極め

産駒は登場したばかりで世代が若く、データは拡張途上。個体差によってはダート適性や1800m前後までの距離延長に対応するケースも出てきます。調教での行きっぷり、前半の追走力、直線での持続時間をレース映像で確認し、スプリント寄りかマイル寄りかを都度ジャッジすると精度が高まります。

馬券での狙いどころ

まずは2歳後半〜3歳前半の芝1200〜1600mで積極策。新馬・未勝利の“テンの速さ×直線の持続”が問われる舞台は相性良好で、人気薄でもパフォーマンスが跳ねることがあります。条件戦以上では、ワンターンの1400m/1600m、高速〜標準馬場、外目スムーズのロス少ない立ち回りが噛み合う日が狙い目。逆に、極端な道悪や持久戦濃厚のレイアウトでは評価を一段下げるのが安全です。

狙い目チェックリスト

  • 芝1200〜1600mの新馬・未勝利戦
  • 2歳夏〜秋にデビューする早熟型
  • 直線の長いコースよりワンターンの舞台
  • 道悪よりも良馬場での瞬発力勝負

タワーオブロンドンの代表産駒

パンジャタワー
牡 鹿毛
母:クラークスデール
母父:ヴィクトワールピサ
調教師:橋口慎介
馬主:DeepCreek
生産者: チャンピオンズファーム
主な戦績:NHKマイルC、京王杯2歳S、キーンランドC


レイピア
牡 鹿毛
母:アンナトルテ
母父:エンパイアメーカー
調教師:中竹和也
馬主:前田晋二
生産者: 富菜牧場
主な戦績:葵S3着

まとめ

タワーオブロンドン産駒は、芝のスプリント〜マイルで「速く、長く」脚を使える万能型。早い時期から動ける完成度に加え、成長に伴い1200〜1600mの幅で対応できる柔軟性を兼備します。新馬・未勝利、条件戦の芝1400〜1600mはとりわけ妙味の生まれやすいゾーン。馬場状態とコース形態、ポジション取りの再現性に注目して、積極的に相手候補・本命候補に指名したい血統です。