レイデオロ産駒の特徴・傾向まとめ|日本ダービー馬の後継に注目!

レイデオロ産駒の特徴・傾向まとめ|日本ダービー馬の後継に注目! 競馬

2017年の日本ダービー馬であり、国内外で活躍した名馬・レイデオロ。2021年より種牡馬入りし、初年度産駒が2024年にデビューを果たしました。父キングカメハメハ譲りの万能性と、母系の欧州スタミナ血統の融合により、今後の中央競馬を担う存在として注目されてたものの、ここまでの産駒は苦戦気味となっています。

しかし、ここ最近になり、成長型が晩成タイプの産駒が多かったのか、徐々に頭角を表してきた感も出てきました。

この記事では、レイデオロ産駒の特徴や血統背景、仕上がり傾向、そして代表産駒・注目の2歳馬について詳しく解説します。

レイデオロとはどんな種牡馬?

キングカメハメハ Kingmambo Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
マンファス ラストタイクーン トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird Blakeney
The Dancer
ラドラーダ シンボリクリスエス Kris S. Roberto
Sharp Queen
Tee Kay Gold Meridian
Tri Argo
レディブロンド Seeking the Gold Mr. Prospector
Con Game
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere

血統背景

レイデオロは、父に日本競馬界屈指の名種牡馬キングカメハメハ、母に名牝系出身のラドラーダを持つ、日本と欧州の一流血統が融合したエリート配合の持ち主です。

父系:スピードと底力を伝えるキングカメハメハ系
父キングカメハメハは、2004年のダービー馬であり、日本を代表する種牡馬。祖父には米国の名種牡馬Kingmambo、その父に伝説の大種牡馬Mr. Prospectorを持つ、典型的なRaise a Native 系のスピード血統です。

さらに、母系には名牝Miesqueの血が流れ、Northern Dancer や Mill Reef などの欧州的なスタミナ・柔軟性を内包。父キングカメハメハを通じて、スピードと瞬発力、そして底力を高次元で兼ね備えた系譜です。

母系:ディープインパクトの母を祖とする名牝系
母ラドラーダは、シンボリクリスエス×レディブロンドという名牝系の出身で、ディープインパクトの母ウインドインハーヘアを祖に持つ良血。つまり、レイデオロはディープインパクトと近しい牝系から生まれた一頭であり、母系にはヨーロッパの名血Alzao(Lyphard系)やBurghclere(Highclere一族)など、重厚でクラシック向きの血が豊富に含まれています。

血統全体のバランスと魅力
レイデオロは、米国的なスピード×欧州的なスタミナと底力という配合構成が魅力で、日本の中長距離王道路線に非常に高い適性を見せました。実際、東京優駿(日本ダービー)や天皇賞・秋を制し、完成度の高い万能型の中距離馬として活躍したのも、こうした血統背景に裏付けられたものです。

現役時代

レイデオロは、2016年10月の新馬戦でデビューし、そこから破竹の勢いで勝ち星を重ねた名馬です。2歳時にはホープフルステークス(当時はGII)を含む3連勝を飾り、世代トップクラスの存在として注目されました。

3歳春には皐月賞で5着に敗れたものの、続く東京優駿(日本ダービー)では中団から鮮やかに差し切ってGⅠ初制覇。その後も神戸新聞杯(GII)でキセキを下して重賞連勝、ジャパンカップでも2着に好走するなど、トップクラスの実力を証明し続けました。

4歳秋には天皇賞(秋)で名手ルメール騎手とのコンビが冴え渡り、強豪ひしめく一戦を差し切って2つ目のGⅠタイトルを獲得。さらに有馬記念でも僅差の2着に入り、その安定感と地力の高さを改めて見せつけました。

その後、海外遠征やジャパンカップ、有馬記念などにも挑戦しましたが、ピーク時の輝きにはやや陰りが見え、2019年の有馬記念(7着)を最後に現役を引退。通算成績は【7-2-1-7】、獲得賞金は8億円超にのぼり、堂々たるキャリアを築きました。

レースぶりの特徴としては、中団待機からしっかりと脚を伸ばす末脚型の王道路線ホース。距離適性は2000〜2400mがベストで、瞬発力と持久力を兼ね備えた完成度の高い中距離型の優等生でした。

レイデオロ産駒の特徴

血統的な特徴

  • 父キングカメハメハ系のパワーとスピード
  • 母父シンボリクリスエスから受け継ぐ中長距離への適性
  • 日本産ながらサンデーサイレンスの血を持たないためサンデー系繁殖を積極的に配合可
  • 欧州的なスタミナ血統と日本的な瞬発力のハイブリッド
  • 三代母にウインドインハーヘアを持つためディープインパクト系繁殖との配合でウインドインハーヘアの牝系クロスが可能

基本は芝の中長距離が狙い目

レイデオロ産駒は、これまで基本的にスタミナ型に出ることが多い傾向にあり、芝の中長距離を得意としています。やはり、日本ではサンデーの血を持たないと芝のスピードが不足してしまうのかもしれません。

特に2200m、2500m、2600mといった非根幹距離は非常に得意としており、代表産駒のサンライズアースも芝2200mのすみれSを勝っています。晩成気味の傾向があり、3歳春以降の条件戦で勝ち上がる産駒が多いことも理由の一つとして挙げられます。

データは少ないものの、短い距離でも例外的に東京芝1400mだけは得意としており、勝率29.4%・連対率52.9%・複勝率52.9%という非常に優秀な成績を残しています。

ダートは苦手

父キングカメハメハや母父シンボリクリスエスからはダート馬も多数出ていることから、配合次第では今後ダートを得意とする産駒が出てくる可能性もありますが、ここまでの傾向としては基本は芝メインでダートは芝より成績が落ちます。

また、未勝利や1勝クラス等下級条件のダート中距離では、持ち前のスタミナを活かして好走する産駒も多いです。これは、晩成傾向で芝でなかなか勝ち上がれずダートに回ってくるパターンが多いことも理由になっていると思われます。

成長型は晩成傾向

レイデオロ自身はデビューから三連勝でホープフルSを勝ち、ダービーも勝っているように、早い時期から能力を発揮していましたが、ここまでの産駒は晩成傾向があり、勝ち上がりに苦労する産駒が多くなっています。

キングカメハメハ産駒は、ロードカナロアやラブリーデイのように古馬になってから本格化する産駒も多かったため、その特徴が出ているのかもしれません。

また、芝の中距離以上を得意とする産駒が多いため、長い距離の条件戦が増えてくる3歳春以降に徐々に勝ち上がる傾向があることも理由に挙げられます。

これまでは全体的に苦戦傾向ですが、単純に晩成型でこれから本格化する産駒も多いという見方もできるため、今後のレイデオロ産駒の活躍には注目しておいたほうがいいかもしれません。

明らかにコルトサイアー傾向があり、牝馬は苦戦中

ここまでのレイデオロ産駒は明らかに牡馬のほうが好成績を収めており、牝馬は勝ち上がり率が11%前後と苦戦している状況です。牡馬優勢の「コルトサイアー」傾向が見られます。

牝馬の成績不振の一因としては、小柄な産駒が多いことが挙げられます。

ウインドインハーヘアのクロス持ちも苦戦中

レイデオロの売りのひとつとして、三代母にウインドインハーヘアを持つため、配合によってはウインドインハーヘアの牝系クロスが可能という点が挙げられます。

主に母父ディープインパクト系の繁殖との配合で4×3のクロスを発生させるケースが多く見られ、明らかに狙って配合されている感がありましたが、ここまでは目立った活躍を見せられていません。

レイデオロ産駒はどちらかというと欧州的な芝でのスタミナやパワーに優れた産駒が多く、そこにウインドインハーヘアのクロスが加わることで、欧州色が強くなりすぎてしまうのかもしれません。

とはいえ、ディープインパクト系繁殖は母数が多く良血馬も多いため、ここから一発大物を出してくる可能性もないとは言い切れず、今後の動向にも注目したいところです。

相性の良い配合

母父マンハッタンカフェとの配合からは、ここまでの代表産駒で阪神大賞典を勝ったサンライズアースカフェグランデなどが出ており、今後も期待が持てそうです。

また、意外なところでは、母父エンパイアメーカーとの配合から、ダービー卿CTを勝ったトロヴァトーレムルソーが出ており、相性の良さを発揮しています。

単純に母数が多いのもありますが、基本的には日本の芝競馬のスピードに対応するためには、母父サンデー系との配合が基本となります。また、早熟成スピードを補える米国型繁殖との配合も相性が良さそうです。

逆に欧州型繁殖との配合は、欧州色が強くなりすぎる可能性が高く、相性としてはイマイチです。

仕上がり傾向と走りのスタイル

項目 内容
仕上がり 晩成傾向。3歳春以降に能力が開花しやすい
芝適性 芝向き(特に1800m以上)
ダート適性 芝向き中心。買うなら下級条件の中距離以上
脚質傾向 差し・中団追走タイプが多く、瞬発力型より持続力型
スタート やや出遅れる傾向の産駒も
性別別成績 牝馬は苦戦中

レイデオロの代表産駒

サンライズアース
牡 栗毛
母:シャンドランジュ
母父:マンハッタンカフェ
調教師:石坂公一
馬主:ライフハウス
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:阪神大賞典

阪神大賞典を勝ち天皇賞(春)でも4着に入ったステイヤー。ダービーでも4着と健闘しています。


アドマイヤテラ
牡 芦毛
母:アドマイヤミヤビ
母父:ハーツクライ
調教師:友道康夫
馬主:近藤旬子
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:目黒記念、大阪ハンブルクC、菊花賞3着

母はクイーンCを制しオークスでも3着に入った実力馬のアドマイヤミヤビ。菊花賞3着の後大阪ハンブルクC・目黒記念と連勝で重賞制覇。秋以降も重賞戦線での活躍が期待されます。


トロヴァトーレ
牡 青鹿毛
母:シャルマント
母父:エンパイアメーカー
調教師:鹿戸雄一
馬主:サンデーレーシング
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:ダービー卿CT、ニューイヤーS

2025年に入り、ニューイヤーS・ダービー卿CTと連勝。続く安田記念では17着と大敗してしまいましたが、秋以降に期待が持てそうです。次走はダートのエルムSに挑戦するようで、隠れたダート適性を発揮することができるか注目です。


カフェグランデ
牡 青鹿毛
母:ラフレーズカフェ
母父:マンハッタンカフェ
調教師:嘉藤貴行
馬主:西川光一
生産者:太陽牧場
主な戦績:江の島S(3勝クラス)

2勝クラス→3勝クラスを連勝中。秋以降のさらなる活躍が期待されます。


ムルソー
牡 鹿毛
母:ラユロット
母父:エンパイアメーカー
調教師:池江泰寿
馬主:長谷川祐司
生産者:辻牧場
主な戦績:ブエナビスタC(3勝クラス)

2勝クラス→3勝クラスを楽勝しオープン入り。ダート重賞戦線での活躍が期待されます。

注目のレイデオロ産駒(2025年2歳組)

スペルーチェ
牡 芦毛
母:レーヴディソール
母父:アグネスタキオン
調教師:宮田敬介
馬主:スリーエイチレーシング
生産者:ノーザンファーム

母は阪神JFを勝ったレーヴディソール。


ボニープリンス
牡 栗毛
母:ルージュバック
母父:マンハッタンカフェ
調教師:大竹正博
馬主:キャロットファーム
生産者:ノーザンファーム

母は毎日王冠やオールカマーなど重賞を4勝しオークスでも2着に入った実力馬ルージュバック。


レジーナレガリア
牝 栗毛
母:メジャーエンブレム
母父:ダイワメジャー
調教師:石坂公一
馬主:キャロットファーム
生産者:ノーザンファーム

母は阪神JFとNHKマイルCを勝ったG1馬メジャーエンブレム。比較的デビューも早そうで、母同様2歳戦からの活躍が期待されます。


ロサドラーダ
牝 鹿毛
母:ローザフェリーチェ
母父:エンパイアメーカー
調教師:藤岡健一
馬主:シルクレーシング
生産者:ノーザンファーム

祖母にオークス・秋華賞・エリザベス女王杯で2着のローズバド、近親に秋華賞とエリザベス女王杯を勝ったスタニングローズがいる血統。レイデオロ×エンパイアメーカーからはトロヴァトーレ、ムルソーなどの活躍馬が出ている相性の良い配合なので、本馬にも期待が持てそうです。

配合傾向とPOG・一口出資での狙い目

  • 基本は牡馬狙い
  • 馬体が良ければ不人気の牝馬をあえて狙う手も
  • 芝1800以上の中長距離路線で真価を発揮する可能性
  • 晩成傾向のため、POGでの指名には不向き

まとめ|レイデオロ産駒はこれから本格化!

レイデオロ産駒は、父系から引き継いだ欧州的な芝でのスタミナとパワーを併せ持ち、芝の中距離を中心に活躍が期待されます。早熟タイプではない分、育成・調整に時間をかけられる厩舎に入った産駒は要注目です。

サンデーサイレンスの血を持たない貴重な種牡馬の一旦を担う存在として、今後の飛躍に期待したい種牡馬です。