ナダル産駒注目の有力馬と特徴まとめ|ダート界に新星登場!

ナダル産駒注目の有力馬と特徴まとめ|ダート界に新星登場! 競馬

2023年から日本で供用が始まった新種牡馬・ナダル。初年度産駒はすでに2歳戦・地方重賞を制し、その勢いは目を見張るものがあります。今回は、ナダル産駒の傾向と注目の有力馬を紹介し、今後の展望をまとめます。

ナダルとはどんな種牡馬?

Blame Arch Kris S. Roberto
Sharp Queen
Aurora Danzig
Althea
Liable Seeking the Gold Mr. Prospector
Con Game
Bound Nijinsky
Special
Ascending Angel Pulpit A.P. Indy Seattle Slew
Weekend Surprise
Preach Mr. Prospector
Narrate
Solar Colony Pleasant Colony His Majesty
Sun Colony
Meteor Stage Stage Door Johnny
Northern Meteor

ナダルは現役時代、2020年にアメリカでデビューし、未勝利戦からGⅠアーカンソーダービーまでの4戦4勝という圧巻の戦績を残しました。

特に3戦目のレベルステークス(GII)では不良馬場を克服して快勝、GI初挑戦となったアーカンソーダービーでは3馬身差の完勝を果たし、クラシック戦線の中心として一躍注目を集めました。

スピード、持久力、そして先行力と粘り強さを兼ね備えたその走りは、日本のダート競馬にもマッチする資質を感じさせ、4戦無敗のまま種牡馬入りしたことで高く評価されています。

ナダルの血統は、アメリカ競馬の名血を凝縮した構成となっています。父はBCクラシック覇者ブレイム(Blame)で、その父はロベルト系のArch。父系にはRoberto~Kris S.~Archと続く米国型中長距離血統の名脈が流れています。

Ascending Angelの父はPulpit(プルピット)で、A.P. Indyを経てSeattle Slewへとつながる米クラシック血統の王道。さらに母系にはMr. Prospector、Nijinsky、Pleasant Colonyといった歴代の名種牡馬が名を連ねており、スピードとスタミナのバランスが非常に優れた配合です。

とくに注目すべきは、ナダルが持つMr. Prospectorの4×3のクロス。スピードの持続力に加え、勝負どころでの爆発力を強化する効果があり、現役時代の先行力と押し切り勝ちを支えた要素といえるでしょう。

このように、ナダルはアメリカ型パワー&スピード血統の結晶ともいえる構成であり、産駒にもその強みが色濃く伝わることが期待されています。

ナダル自身は1800m前後のダート戦で圧巻のスピードと持久力を見せ、日本でもダート中距離に強い後継種牡馬として期待されています。

ナダル産駒の特徴

特徴 内容
主戦場 ダート1400~2000m
脚質傾向 先行~好位差し
芝適性 基本はダート向き、芝は配合次第
仕上がり傾向 早熟傾向あり、2歳夏~秋のデビューが多い
成績 初年度産駒から重賞勝ち馬を輩出

産駒デビュー直後はノーザンファームの育成効果からか芝での新馬勝ちもありましたが、その後は徐々にダートで本領を発揮。ダートが主戦場ながら、ファーストシーズンサイアーに輝くという異例の活躍をしています。

特にダート1600m以上では圧倒的な強さを発揮しており、ダート1800mではこれまで勝率23.5%・連対率33.3%・複勝率44.1%と驚異的な成績を収めています。

配合次第では芝路線で活躍する馬も出てくる可能性もありますが、基本的には今後も芝よりダート路線での活躍がメインになると思われます。

芝で狙う場合は、短距離の新馬・未勝利戦か湿った馬場のときが狙い目となります。

ナダル産駒の得意な競馬場

右回りと左回りではほとんど成績に差がなく、苦手はないようです。とにかくダートであることが重要で、ダートの上位人気馬には逆らわないほうが無難そうです。

競馬場別で見ると中山競馬場を最も得意としており、ここまで勝率18.5%・連対率33.3%・複勝率40.7%という成績を残しています。このことから、逃げ先行できるスピードを持ち、ラストの急坂を駆け上がるパワーを兼ね備えた産駒が多いという特徴が見えてきます。

他の競馬場を見ても、ダート戦であれば良好な成績を収めており、ここまでは極端に苦手とする競馬場はないように思えます。強いて挙げれば、東京競馬場は連対率や複勝率は他と遜色ないものの、勝率は13.6%と他より落としています。可能性としては、距離によってはスタートが芝になっているという点と、直線が長く逃げ先行馬が最後に捕まりやすいということが原因になっているかもしれません。

馬場に関しては、ダートであれば不問。芝は湿ったほうが良い成績を残しています。

ナダル産駒の得意な距離

ダートに関しては距離不問で優秀な成績を収めていますが、どちらかというと中距離の1800m以上で特に優秀な成績を収めている傾向があります。

逆に芝に関しては完全に短距離特化となっており、マイル以上で3着以内にも入れていない状況となっています。

このことから、ナダル産駒はロベルト系らしい米国のパワー型血統を受け継ぐ産駒が多いことがわかります。

馬券の狙い目としてはダートなら距離延長、芝の場合は1000~1200mの新馬や未勝利戦であれば仕上がりの早さを活かした押切狙いがおすすめです。

ナダル産駒の成長型について

ここまでは仕上がりの早さを見せ、早い時期から活躍する馬も多く、勝ち上がり率も驚異的な数値を残しています。

一見米国の早熟型にも見えなくはないですが、条件戦で徐々に勝ち上がる馬も出始めており、古馬になってから頭角を現す馬も多数出てきそうな気配があります。

このことから、ナダル産駒は仕上がりが早く2歳のデビュー戦から勝ち上がり、古馬まで息の長い活躍を見せる万能型や持続型がメインとなるのではないかと予想できます。

ナダル産駒のPOGでの指名について

ナダル産駒をPOGで指名する場合、大前提として地方や海外の賞金も加算されるルールであることが必須となるでしょう。産駒はダートメインの活躍となるため、交流重賞やサウジドバイの賞金が加算されないと指名する意味は薄そうです。

また、地方や海外の賞金も加算されるルールであったとしても、基本的には賞金の高い芝レースが狙えるキタサンブラックやエピファネイア産駒などのほうが有利です。フォーエバーヤングのような馬は非常に稀ですし、実力があったとしても実際にサウジやドバイに遠征するかどうかは陣営次第のため、普通のルールであれば芝の王道種牡馬産駒を指名したほうが良いでしょう。

例外として、同種牡馬の産駒は1頭まで等の縛りがある場合や人気馬を指名するとペナルティが発生するなどのルールがある場合は選択肢に入れても良さそうです。

注目のナダル産駒|有力馬紹介

メルキオル
牡 鹿毛
母:サングレアル
母父:ゼンノロブロイ
調教師:松永幹夫
馬主:吉田勝己
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:ブルーバードカップ(JpnIII)

母はフローラSを勝ったサングレアル、祖母は名牝ビワハイジという血統。未勝利・プラタナス賞(1勝クラス)を連勝後、芝のジュニアCに挑戦し12着と大敗も、ダートに戻ったブルーバードカップで交流重賞制覇を果たしました。その後はUAEダービーに出走予定だったものの残念ながら骨折が判明し、現在休養中です。


クレーキング
牡 栗毛
母:クインアマランサス
母父:キングカメハメハ
調教師:中舘英二
馬主:シルクレーシング
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:東京ダービー2着、ユニコーンS2着

母は京都牝馬Sの勝ち馬でG1ヴィクトリアマイルでも2着に入った実力馬です。こちらも残念ながら骨折が判明し休養中ですが、秋には間に合う見込みのようです。順調に回復することができれば、ダート重賞戦線での活躍が期待できそうです。


メモリアカフェ
牝 栗毛
母:ルミエールカフェ
母父:マンハッタンカフェ
調教師: 柄崎将寿
馬主:西川光一
生産者:三嶋牧場
主な戦績:関東オークス

3連勝で関東オークスを楽勝し、見事交流重賞制覇を果たしています。秋以降もダート重賞戦線での活躍に期待できそうです。


プロミストジーン
牝 鹿毛
母:プロミストリープ
母父:ヘニーヒューズ
調教師:上原佑紀
馬主:シルクレーシング
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:横手特別(2勝クラス)

デビューから5戦3勝、ヒヤシンスSと青竜Sで2着とオープン実績あり。今後のダート戦線で重賞級の活躍が期待される一頭です。


ホーリーグレイル
牝 鹿毛
母:ホーリーレジェンド
母父:アイルハヴアナザー
調教師:内田勝義
馬主:キャロットファーム
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:ニューイヤーC(浦和)

浦和・ニューイヤーカップ優勝。小回りコースや地方のダート戦でも力を発揮。


ヴィリアリート
牝 鹿毛
母:メリーウィドウ
母父:ゴールドアリュール
調教師:西村真幸
馬主:シルクレーシング
生産者:ノーザンファーム
主な戦績:1勝クラス

新馬戦・1勝クラスを連勝。その後はヒヤシンスS8着、ユニコーンS7着とぱっとしませんが、秋以降の巻き返しに期待。

ナダルと相性が良い母父

単純に頭数が多いというのもありますが、ここまでは母父サンデー系の配合から多くの活躍馬が出ています。

母父ディープインパクトとの配合では、バギーウィップが3勝を上げており、なかなか相性がよさそうです。ディープインパクトは牝馬の活躍馬が多く、米国血統とも相性が良かったことから、ここと好相性ということであれば今後も安定した成績を残せる可能性が高そうです。

また、現時点の代表産駒で東京ダービー2着のクレーキングは母父キングカメハメハ。サンデー・キンカメ系という日本の主流血統との配合で結果を残していることは今後を見据える上では非常に重要です。

当然母父米国系とも相性が良くプロミストジーン(母父ヘニーヒューズ)などの活躍馬が出ています。

母父にディープインパクトのような完全芝特化のサンデー系を持つ繁殖牝馬と配合してもダート馬ばかり出ていることから、ナダルの遺伝力の強さが垣間見えます。今後もやはりダート中心の活躍になることが予想され、頭数の多さからサンデー系との配合で活躍馬を多く出しそうですが、米国系繁殖とのダート特化配合からダートの怪物が生まれる可能性にも期待できそうです。

ナダル産駒の戦績と種牡馬ランキング

ナダルは2024年にチャンピオン・ファーストシーズンサイアー(新種牡馬王)の称号を獲得。初年度産駒98頭中67頭がデビューし、JRAだけで2歳勝ち馬26頭を記録しました。

その結果、JRA2歳リーディングでも4位にランクインし、種牡馬としての存在感を強く印象付けました。

今後の展望と狙い目

  • 2歳戦やダート新馬戦(1400~1800m)
  • 地方重賞やJRAのダートオープン戦
  • 芝→ダート替わり
  • 距離延長

特に、ダート重賞戦線で、さらなる有力馬の台頭が期待されています。

まとめ

ナダル産駒は、驚異的な勝ち上がり率を残し、ダート路線で確実に勢力を拡大しています。早期から実績を残せる仕上がりの早さに加え、ダート中距離での持続力ある走りは大きな魅力。今後のPOG指名馬や一口出資の候補としても要注目です。

ナダルの快進撃はまだ始まったばかり。次世代のダート王者がこの中から誕生するかもしれません。