ヘンリーバローズ産駒の特徴と傾向まとめ【シルバーステート全弟・OP馬輩出の芝中距離種牡馬】

ヘンリーバローズ産駒の特徴と傾向まとめ 競馬

現役2戦、重賞未勝利、産駒から重賞馬もまだ出ていない本馬ですが、全兄シルバーステートが今やリーディング上位の常連になっているので、同じ母から生まれたこの馬の評価がじわじわ上がってきています。

デビュー戦では後のダービー馬ワグネリアンと接戦を演じ、続く未勝利戦は単勝1.1倍で圧勝。その直後に脚部不安で引退という経歴は、全兄シルバーステートとほぼ重なります。兄がリーディング上位の種牡馬になった今、弟への期待が膨らむのも自然な流れかと思います。

産駒はジェットマグナムやストームサンダーといったOP馬を輩出しており、「先行してしぶとく粘る」スタイルが主流です。洋芝・道悪・小回り中距離に強い傾向があって、全兄の産駒傾向とも重なります。重賞実績がまだない分、人気にもなりにくいので、得意条件では拾っていきたい種牡馬です。

血統背景

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ウインドインハーヘア Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere
シルヴァースカヤ Silver Hawk Roberto Hail to Reason
Bramalea
Gris Vitesse Amerigo
Matchiche
Boubskaia Niniski Nijinsky
Virginia Hills
Frenetique Tyrant
Femina

父はディープインパクト、母シルヴァースカヤはフランス重賞2勝(仏G3含む)を挙げ、凱旋門賞にも出走した欧州血統の牝馬です。Silver Hawk(Roberto系)を父に持ち、母父にはスタミナ型のNiniski(Nijinsky系)が入ります。

ディープインパクト産駒の中でもこの母系はかなり特徴的で、同じ配合から生まれた全兄シルバーステートが芝の中距離で目立つ産駒を多数出しています。Roberto系の粘り強さが血統全体に色濃く出るのか、産駒に「キレよりもしぶとさ」が現れやすい傾向があります。

父子の配合を見ると、サンデーサイレンス→ディープインパクト系の高速馬場適性に、European staying bloodの持久力が加わる形で、「速いが切れ味で勝負するタイプではない」という個性が出やすいのだと思います。

現役時代

2017年2月の阪神・芝1800m新馬戦でデビュー。このレース、相手が後のダービー馬ワグネリアンで、タイム差なしの2着というのが唯一の黒星でした。続く2戦目の未勝利戦では単勝1.1倍の圧倒的1番人気に応えて圧勝。次走に向けて期待が高まっていた矢先、脚部不安が判明して引退となりました。

全兄シルバーステートも同じく2戦で引退していて、「この牝馬の子は脚元が弱い」という見方もあるようですが、それをいまさら言っても仕方のない話で、2戦の内容は非常に高いものでした。現役時代を語れるほど走っていないのは確かですが、圧倒的なスピードを見せた馬だという印象は残っています。

種牡馬としての現状

2020年からイーストスタッドで種牡馬供用が始まり、初年度産駒が2022年にデビューしました。現時点で重賞勝ち馬はまだ出ていませんが、オープン馬を複数輩出しています。産駒数はまだ少なく、データとして蓄積されている数が限られているので、傾向についてはある程度幅を持ってみる必要があります。

個人的に気になっているのは、全兄シルバーステートとの産駒傾向の類似度です。シルバーステートは近年のリーディング上位常連になっていますが、ヘンリーバローズも同じ母から生まれて同じ父を持つ。資質的に近い馬が出やすいとしたら、今後もう少し評価が上がってくるかもしれないという気がしています。

代表産駒

馬名 主な勝ち鞍 距離・条件
ジェットマグナム 芙蓉S(OP) 芝2000m
ストームサンダー クローバー賞(OP) 芝1800m

距離適性

距離 適性 コメント
〜1400m(短距離) スピード持続型なのでやや短い印象。牝馬なら対応できる個体もいる
1600m(マイル) 速い流れで先行できれば粘れる距離。洋芝マイルは狙い目
1800〜2000m(中距離) 最も得意な距離帯。先行して持続力を活かすスタイルがはまりやすい
2200〜2400m(中長距離) 距離が伸びるとスタミナよりもテンションが先に勝ってしまう個体が多い
2500m〜(長距離) × 気性的な問題で折り合いが難しくなる傾向あり

コース適性

コース 適性 コメント
札幌・函館(洋芝) パワーを要する洋芝は得意。持続力型に向く舞台
中山 小回り・急坂でも粘れる。持続力型向きの舞台
中京 先行有利な舞台で適性あり。OP馬も中京実績あり
阪神 阪神内回りは合いやすい。直線平坦でも先行して粘れる
東京 長い直線で一瞬のキレを求められると苦しい。先行して早めに動く形なら
京都 淀長い直線でキレ比べになると分が悪い印象
新潟外回り 超高速ロングスパートはやや不向き。内回りなら対応できる
ダート × 芝向きの血統。ダートに替わると大幅パフォーマンスダウンの傾向

成長型

全兄シルバーステートと同様に、早期仕上がりタイプが主流になりつつある感じです。2歳後半〜3歳前半に力を見せて、そのまま一定のレベルで走り続けるタイプが多いように見えます。爆発的な成長曲線というよりは、「早くから出来ていて、安定して走る」イメージでしょうか。

ただ、産駒数がまだ少ないので断言は難しく、古馬になって開花するタイプが今後出てくるかもしれません。現時点では「早熟寄り」とみておくのが無難だと思います。

BMS(母の父)としての傾向

現時点ではBMSとしての産駒数が少なく、明確な傾向を語るには早い段階です。ただ、全兄シルバーステートがBMSとして使われる事例も出てきており、この母系がサンデーサイレンス系との組み合わせで力を発揮するパターンは今後も続くと思います。

BMS系統 相性 コメント
サンデーサイレンス系(父方) ディープ系・ハーツ系を父に持つ場合、母系のロベルト血脈が補完的に働く可能性
キングカメハメハ系 Roberto系との親和性が高く、パワー型中距離馬が出やすい
ノーザンダンサー系 欧州ステイヤー血脈との組み合わせでスタミナ補完
ミスタープロスペクター系 スピード寄りになりすぎる可能性。実績はまだ少ない

馬券で狙うなら


積極的に買える条件

  • 芝1800〜2000m(中距離)
  • 小回り・急坂コース(中山・中京・阪神内回り)
  • 洋芝(札幌・函館)
  • 道悪〜重馬場
  • 先行馬・好位追走から早めに動く展開
  • ハイペースで上がりがかかる消耗戦


消せる条件

  • ダート(芝向き血統)
  • 長距離(2400m以上)
  • 東京・新潟外回りの超スロー→瞬発力勝負
  • 極端なスローペースからのキレ比べ
  • 初コース・長距離輸送でテンションが上がりそうな状況

まとめると、「速い流れで先行して、最後まで脚を使い切る」タイプが主流という感じでしょうか。スローペースからの上がり勝負では目立ちにくいので、そのあたりは割り引いて考えた方が良いかもしれません。重賞実績はまだ出ていませんが、OP馬は出ていますし、今後の産駒追跡は続けていく価値はある種牡馬だと思っています。

種牡馬別産駒傾向まとめ