ミスターメロディは、現在世界中で旋風を巻き起こしているScat Daddy(スキャットダディ)の直子であり、日本におけるその後継種牡馬として極めて重要な存在です。現役時代は芝のG1・高松宮記念を制しましたが、ダートでも勝利を挙げており、その圧倒的なスピードと抜群のパワーを産駒に伝えています。
血統背景と影響
| Scat Daddy | ヨハネスブルグ | ヘネシー | Storm Cat |
| Island Kitty | |||
| Myth | オジジアン | ||
| Yarn | |||
| Love Style | Mr. Prospector | Raise a Native | |
| Gold Digger | |||
| Likeable Style | Nijinsky | ||
| Personable Lady | |||
| Trusty Lady | Deputy Minister | Vice Regent | Northern Dancer |
| Victoria Regina | |||
| Mint Copy | Bunty’s Flight | ||
| Shakney | |||
| Klassy Kim | Silent Screen | Prince John | |
| Prayer Bell | |||
| クールアライヴァル | Relaunch | ||
| Irish Arrival |
父Scat Daddyは、ジャスティファイ(米三冠馬)やノーネイネヴァーを輩出した世界的名種牡馬です。その特徴は、芝・ダートを問わない「万能なスピード」にあります。 ミスターメロディの母系はDeputy Minister(デピュティミニスター)系で、北米の馬力とパワーを供給する血統構成です。この組み合わせにより、日本の軽い芝だけでなく、重い芝やダートにも対応できる力強いスピードが産駒の最大の特徴となります。
得意コース・条件
産駒が最も得意とするのは、芝・ダート問わず1200mから1400mの短距離戦です。 芝では、Scat Daddy系らしい前向きなスピードを武器に、逃げ・先行で押し切る競馬を得意とします。特に、パワーが必要な中山、阪神の急坂コースや、洋芝の札幌・函館などは絶好の舞台です。 また、ダート適性も非常に高く、乾いたパサパサのダートでも力強く踏み込めるパワーがあります。短距離路線であれば、どんな条件でも崩れにくい「スピードの絶対値」が魅力です。
苦手コース・条件
明確な弱点は、距離の限界です。本質的にスプリンター血統であるため、マイルを超える距離(1800m以上)ではスタミナ不足が露呈しやすく、パフォーマンスが急激に低下する傾向があります。 また、東京競馬場のような直線の長いコースでの「上がり3ハロン勝負」では、純粋な末脚のキレでディープインパクト系などに屈することがあります。スローペースの瞬発力勝負よりも、ハイペースの持続力勝負を好みます。
成長型の特徴
産駒の仕上がりは極めて早く、2歳の新馬戦からフルスロットルで動けるタイプが多いです。これはScat Daddy系の大きな特徴でもあり、早期に賞金を稼ぐ「孝行息子・娘」が多い種牡馬といえます。 成長のピークは早めに来ますが、骨格がしっかりしているため、古馬になってもスピードの衰えが少なく、短距離のオープン・重賞戦線で長く定着する息の長い活躍が期待できます。
代表産駒
スリールミニョン
牝 鹿毛
母:ルミノハレブタイ
母父:クロフネ
調教師:高橋康之
馬主:福盛訓之
生産者:笹川大晃牧場
主な戦績:阪神ジュベナイルF5着
クラスペディア
牡 黒鹿毛
母:ウンベラータ
母父:アグネスタキオン
調教師:河嶋宏樹
馬主:塚田義広
生産者:田端牧場
主な戦績:クロッカスS、葵S2着
アシャカトベ
牡 黒鹿毛
母:ドリームプレイ
母父:コマンダーインチーフ
調教師:小笠倫弘
馬主:吉冨学
生産者:ラッキー牧場
主な戦績:2勝クラス
総評
ミスターメロディは、「芝・ダート不問の短距離スピードスター」を輩出する種牡馬です。 特に2歳戦やローカル開催の短距離戦では、その圧倒的な完成度とパワーで他を圧倒するシーンが多く見られます。複雑な瞬発力勝負よりも、「スピードで押し切るシンプルで力強い競馬」を求めるファンや馬主にとって、これ以上ないほど頼もしい存在といえるでしょう。

