2025年の安田記念を展望するにあたり、過去10年のレース傾向をもとに、注目馬や血統のポイント、前走ローテーションの分析を行いました。登録馬や過去の好走馬から見えるパターンを把握し、的確な馬券戦略を練る参考にしてください。
2025年 安田記念登録馬一覧
今年の登録馬には、昨年3着のソウルラッシュをはじめ、重賞勝ち馬が多数エントリー。人気の中心はシックスペンス、ソウルラッシュ、ジャンタルマンタルとなる見込みです。
- シックスペンス
- ソウルラッシュ
- ジャンタルマンタル
- トロヴァトーレ
- ブレイディヴェーグ
- ウォーターリヒト
- エコロヴァルツ
- ジュンブロッサム
- ウインマーベル
- ガイアフォース
- ロングラン
- マッドクール
- レッドモンレーヴ
- シャンパンカラー
- サクラトゥジュール
- ダディーズビビッド
- グラティアス
- ホウオウリアリティ
- オニャンコポン
安田記念過去10年の結果
2024年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | ロマンチックウォリアー | セ6 | マクドナルド | 1:32.3 | 33.4 | 1 | Acclamation | Street Cry | クイーンエリザベス2世C1着 |
2 | 5 | ナミュール | 牝5 | 武豊 | 1/2 | 32.9 | 4 | ハービンジャー | ダイワメジャー | ヴィクトリアマイル8着 |
3 | 10 | ソウルラッシュ | 牡6 | モレイラ | ハナ | 33.1 | 2 | ルーラーシップ | マンハッタンカフェ | マイラーズC1着 |
2023年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ソングライン | 牝5 | 戸崎 | 1:31.4 | 33.1 | 4 | キズナ | シンボリクリスエス | ヴィクトリアマイル1着 |
2 | 4 | セリフォス | 牡4 | レーン | 1.1/4 | 33.6 | 3 | ダイワメジャー | Le Havre | ドバイターフ5着 |
3 | 14 | シュネルマイスター | 牡5 | ルメール | アタマ | 32.8 | 1 | Kingman | Soldier Hollow | マイラーズC1着 |
2022年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13 | ソングライン | 牝4 | 池添 | 1:32.3 | 32.9 | 4 | キズナ | シンボリクリスエス | ヴィクトリアマイル5着 |
2 | 9 | シュネルマイスター | 牡4 | ルメール | クビ | 32.9 | 2 | Kingman | Soldier Hollow | ドバイターフ8着 |
3 | 17 | サリオス | 牡5 | レーン | アタマ | 33.0 | 8 | ハーツクライ | Lomitas | 高松宮記念15着 |
2021年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | ダノンキングリー | 牡5 | 川田 | 1:31.7 | 33.1 | 8 | ディープインパクト | Storm Cat | 天皇賞(秋)12着 |
2 | 5 | グランアレグリア | 牝5 | ルメール | アタマ | 32.9 | 1 | ディープインパクト | Tapit | ヴィクトリアマイル1着 |
3 | 13 | シュネルマイスター | 牡3 | 横山武 | 1/2 | 33.4 | 4 | Kingman | Soldier Hollow | NHKマイルC1着 |
2020年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | グランアレグリア | 牝4 | 池添 | 1:31.6 | 33.7 | 3 | ディープインパクト | Tapit | 高松宮記念2着 |
2 | 5 | アーモンドアイ | 牝5 | ルメール | 2.1/2 | 33.9 | 1 | ロードカナロア | サンデーサイレンス | ヴィクトリアマイル1着 |
3 | 6 | インディチャンプ | 牡5 | 福永 | 1/2 | 34.1 | 2 | ステイゴールド | キングカメハメハ | マイラーズC1着 |
2019年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | インディチャンプ | 牡4 | 福永 | 1:30.9 | 32.9 | 4 | ステイゴールド | キングカメハメハ | マイラーズC4着 |
2 | 2 | アエロリット | 牝5 | 戸崎 | クビ | 33.9 | 3 | クロフネ | ネオユニヴァース | ヴィクトリアマイル5着 |
3 | 14 | アーモンドアイ | 牝4 | ルメール | ハナ | 32.4 | 1 | ロードカナロア | サンデーサイレンス | ドバイターフ1着 |
2018年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 10 | モズアスコット | 牡4 | ルメール | 1:31.3 | 33.3 | 9 | Frankel | ヘネシー | 安土城S2着 |
2 | 4 | アエロリット | 牝4 | 戸崎 | クビ | 34.0 | 5 | クロフネ | ネオユニヴァース | ヴィクトリアマイル4着 |
3 | 1 | スワーヴリチャード | 牡4 | M.デムーロ | 3/4 | 33.9 | 1 | ハーツクライ | Unbridled’s Song | 大阪杯1着 |
2017年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | サトノアラジン | 牡6 | 川田 | 1:31.5 | 33.5 | 7 | ディープインパクト | Storm Cat | 京王杯スプリングC9着 |
2 | 16 | ロゴタイプ | 牡7 | 田辺 | クビ | 34.4 | 8 | ローエングリン | サンデーサイレンス | 中山記念3着 |
3 | 6 | レッドファルクス | 牡6 | M.デムーロ | クビ | 33.7 | 3 | スウェプトオーヴァーボード | サンデーサイレンス | 京王杯スプリングC1着 |
2016年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | ロゴタイプ | 牡6 | 田辺 | 1:33.0 | 33.9 | 8 | ローエングリン | サンデーサイレンス | ダービー卿チャレンジ2着 |
2 | 8 | モーリス | 牡5 | ベリー | 1.1/4 | 34.0 | 1 | スクリーンヒーロー | カーネギー | チャンピオンズマイル1着 |
3 | 10 | フィエロ | 牡7 | 内田博 | ハナ | 33.5 | 6 | ディープインパクト | デインヒル | マイラーズC4着 |
2015年
着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | タイム・差 | 上がり | 人気 | 父 | 母父 | 前走 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | モーリス | 牡4 | 川田 | 1:32.0 | 34.5 | 1 | スクリーンヒーロー | カーネギー | ダービー卿チャレンジ1着 |
2 | 13 | ヴァンセンヌ | 牡6 | 福永 | クビ | 33.7 | 3 | ディープインパクト | ニホンピロウイナー | 京王杯スプリングC2着 |
3 | 12 | クラレント | 牡6 | 田辺 | 1.1/4 | 34.5 | 12 | ダンスインザダーク | ダンシングブレーヴ | マイラーズC10着 |
過去10年の安田記念データから見る傾向
過去10年のレース結果を分析すると、以下のような顕著な傾向が浮かび上がります。
① リピーターが強い
安田記念は昔からリピーター傾向が強く、前年の好走馬が翌年も馬券に絡むことが多いです。
2023・2022年のソングライン、2023・2022・2021年のシュネルマイスター、2021・2020年のグランアレグリア、2020・2019年のアーモンドアイ、2020・2019年のインディチャンプ、2019・2018年のアエロリット、2017・2016年のロゴタイプ、2016・2015年のモーリスなどがその好例です。
2025年の登録馬の中では、昨年3着のソウルラッシュが該当。今年も要注目です。
② 前走着順は不問、巻き返し可能
前走で着順が悪くても本番で巻き返すケースが多く、特に牡馬はマイラーズC組、牝馬はヴィクトリアマイル組からの好走が目立ちます。
- マイラーズC組(今年):ロングラン(1着)、ジュンブロッサム(2着)、グラティアス(5着)、ホウオウリアリティ(6着)
- ヴィクトリアマイル組:今年は該当馬なし
安田記念の血統傾向 欧州型ノーザンダンサー系の血が強い
近年の安田記念では「欧州型ノーザンダンサー系」の血統を持つ馬が好成績を挙げている傾向があります。
欧州型ノーザンダンサー系とは?
欧州で活躍したノーザンダンサー系の種牡馬を経由する血統。特に以下のラインは近年の安田記念での実績があり、注目されます。
- Kingman(Invincible Spirit系)
- Frankel(ガリレオ→サドラーズウェルズ系)
- Acclamation(ロイヤルアカデミー系)
- Soldier Hollow、Lomitas、Halling など独・仏の欧州型血統
過去10年の欧州型ノーザンダンサー系好走馬
年 | 着順 | 馬名 | 父 | 父系統 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2024 | 1着 | ロマンチックウォリアー | Acclamation | ノーザンダンサー系(欧州) | 香港馬、欧州マイラー血統 |
2023 | 3着 | シュネルマイスター | Kingman | 欧州ノーザンダンサー系 | ドイツ×英国系配合 |
2022 | 2着 | シュネルマイスター | Kingman | 同上 | 切れ+持続力の好バランス |
2018 | 1着 | モズアスコット | Frankel | サドラーズウェルズ系 | 欧州直輸入 |
特徴と傾向
特徴 | 解説 |
---|---|
✔ 高速馬場にも対応 | 欧州型でもスピード適性を備えるタイプが活躍(例:Frankel産駒、Kingman産駒) |
✔ 長くいい脚を使える | 一瞬の切れより「じわじわ加速して伸びる」持続型が多い |
✔ スタミナとタフさ | 直線が長くペースが緩まず、底力が問われる東京マイルにマッチ |
✔ 早い上がり対応 | シュネルマイスター(32秒台)など瞬発力にも対応可 |
✔ 外国産馬が好走 | 欧州調教馬や輸入馬の好走が目立つ |
安田記念で欧州型ノーザンダンサー系が強い理由
- 東京芝1600mのタフさと持続力勝負にマッチ
- 軽すぎない馬場でも走れるスタミナ血統
- 瞬発力一辺倒ではなく、多様な展開に対応
2025年も、Kingman系やFrankel系、あるいは欧州血統馬に注目が必要そうです。
今年の注目血統馬
ロングラン
父:ヴィクトワールピサ
母父:Kendargent
父はサンデー系の中でもパワー型で持続力があり、非根幹距離や消耗戦向き。母系は欧州のスタミナ色が強く、仏国産・重厚な芝向きの血統構成。さらに母系には欧州型ノーザンダンサー系を持っている。
マッドクール
父:Dark Angel
母父:Indian Ridge
父父Acclamationは昨年の勝ち馬ロマンチックウォリアーの父で欧州型ノーザンダンサー系。血統相性は◎も、マイル実績がないのが不安要素。
シャンパンカラー
父:ドゥラメンテ
母父:Reckless Abandon
母父Reckless Abandonは欧州型ノーザンダンサー系。2023年のNHKマイルCを制しており、コース相性も◎。ただし、NHKマイルC後は大敗続き。
安田記念の枠順傾向|内枠有利?外枠不利?
東京芝1600m(安田記念の舞台)はワンターンコースで枠順の影響が少ないと言われがちですが、
過去のデータを分析すると、枠による明確な傾向が見られます。
過去10年の枠順別成績(2015〜2024年)
枠順 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1枠 | 0 | 1 | 1 | 15 | 0.0% | 5.9% | 11.8% |
2枠 | 0 | 2 | 0 | 15 | 0.0% | 11.8% | 11.8% |
3枠 | 2 | 1 | 1 | 15 | 10.5% | 15.8% | 21.1% |
4枠 | 1 | 2 | 1 | 15 | 5.3% | 15.8% | 21.1% |
5枠 | 2 | 1 | 1 | 16 | 10.0% | 15.0% | 20.0% |
6枠 | 0 | 1 | 1 | 18 | 0.0% | 5.0% | 10.0% |
7枠 | 4 | 1 | 3 | 16 | 16.7% | 20.8% | 33.3% |
8枠 | 1 | 1 | 2 | 21 | 4.0% | 8.0% | 16.0% |
枠順傾向の考察
傾向 | 解説 |
---|---|
✔ 外枠(7枠)が好成績 | 7枠は4勝・複勝率33.3%で最多勝。外からスムーズに差し脚を伸ばす馬が活躍。 |
✔ 中枠(3〜5枠)が安定 | 3枠〜5枠はそれぞれ複勝率20%以上で、バランスの取れた好成績。内すぎず外すぎずの好ポジション。 |
✔ 内枠(1・2枠)はやや不振 | 1枠は未勝利、2枠も勝ち星なし。包まれやすく直線での進路確保に苦戦するケースが多い。 |
✔ 6枠と8枠は低調 | 6枠・8枠は着外が多く、人気馬でも信頼度は下がり気味。 |
枠順が結果に与える理由
- 東京芝1600mはスタートから長い直線があるため、外枠でもポジションを取りやすい
- 6月開催で内ラチ沿いの馬場が荒れている可能性があり、外を回す馬が優勢になる
- 先行馬よりも差し・追い込みタイプが活躍するため、外からの直線勝負が決まりやすい
枠順と戦略のポイント
- 7枠は高成績。枠順確定後に評価アップの余地あり
- 3〜5枠は好バランスで信頼できるゾーン
- 1〜2枠・6〜8枠は慎重な見極めが必要
安田記念では、血統や展開だけでなく、枠順も勝敗を左右する重要な要素となります。
枠順発表後は、脚質との相性や馬場状態も加味して評価を見直すことが好配当への鍵となるでしょう。
2025年 安田記念 総合予想
◎ソウルラッシュ
昨年の安田記念で3着に好走した実績を持ち、メンバーの中でも実績上位の存在。ドバイターフでは世界的名馬ロマンチックウォリアーをねじ伏せる圧巻の走りを見せ、その実力の高さを証明しました。東京マイルでは鋭い末脚が持ち味で、安田記念特有のリピーター傾向も追い風になります。さらに、馬場悪化にも対応できるタフさを備えており、展開の紛れにも動じない安定感は大きな武器と言えるでしょう。
○ジャンタルマンタル
3歳時にNHKマイルCを制しており、東京マイルへの適性はすでに証明済み。前走の香港マイルでは13着と大敗を喫した点は気がかりだが、同レースで2着だったアスコリピチェーノがその後ヴィクトリアマイルを制していることからも、本馬の地力は確かなものと言える。
▲シックスペンス
前走の大阪杯や東京優駿では大敗を喫しているものの、1800m以下では無傷の成績を誇る実力馬。今回は2歳戦以来となるマイル戦となるが、距離に適応できれば世代トップクラスの実力を発揮する可能性は十分にある。
△マッドクール
スプリントGIを制した実績があり、スピード性能は一級品。血統的には欧州型のマイラー系で、距離延長にも対応可能な構成と言える。新馬戦以来となるマイル挑戦が課題ではあるものの、距離を克服できれば一発の可能性を秘めている。
☆ロングラン
前走のマイラーズCを制した実績は評価でき、王道ローテーションで臨めるのは大きな強み。母系は欧州型のスタミナ血統で、持続力が求められる展開になれば東京マイルにも対応できる可能性がある。展開ひとつで馬券圏内に食い込むシーンも十分考えられる。
まとめ|2025年安田記念の狙い方
- ✔ 昨年の好走馬 ソウルラッシュ はリピーター傾向から再注目
- ✔ 前走マイラーズC組(ロングランなど)を中心視
- ✔ 欧州型ノーザンダンサー系の血を持つ馬は要チェック
過去の傾向を踏まえると、人気馬の中でも「血統背景」や「前走ローテーション」まで掘り下げて精査することが重要です。今年も多彩なメンバーがそろった安田記念、しっかりと分析して好配当を狙いたいところです。