ディープインパクト産駒なのに、道悪の方が走ります。東京より中山・中京、良馬場よりタフな展開、マイルより中距離——他のディープ系とは明らかに向いている条件が違います。
2023年に種牡馬を引退して産駒はもう増えませんが、今いる馬たちはまだ現役です。雨の日の芝中距離は、ひとまずこの血統を探す習慣をつけておくといいと思います。
血統背景
| ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
| Cosmah | |||
| Wishing Well | Understanding | ||
| Mountain Flower | |||
| ウインドインハーヘア | Alzao | Lyphard | |
| Lady Rebecca | |||
| Burghclere | Busted | ||
| Highclere | |||
| ラヴアンドバブルズ | Loup Sauvage | Riverman | Never Bend |
| River Lady | |||
| Louveterie | Nureyev | ||
| Lupe | |||
| バブルドリーム | Akarad | Labus | |
| Licata | |||
| バブルプロスペクター | Miswaki | ||
| バブルカンパニー |
父ディープインパクト × 母ラヴアンドバブルズ(母父Loup Sauvage)です。
母系がかなり欧州寄りで、これがポイントです。Loup SauvageはRiverman(Never Bend系)の仔でNureyevの血も入るフランス産のスタミナ型。その母バブルドリームにはAkaradとMiswakiが並んでいて、血統表を眺めているだけで重さが伝わってきます。
ディープ産駒というと「軽くてキレる」イメージがありますが、ディープブリランテはその方向とは少し違います。速いペースを長く刻み続ける持続力——道悪や洋芝でパワーを問われる条件で強さを発揮する産駒が多いのは、この血統からして当然の話です。
現役時代
6戦3勝。2012年のダービーがキャリアの象徴と言っていい勝ち鞍です。フェノーメノをハナ差で押し切った内容は、末脚でじわじわ抜ける典型的なディープ産駒とはちょっと違って、タフなペースを踏み続けてそのまま押し切るというもので、見ていて少し異質でした。
その後はキングジョージに挑戦しましたが馬体を傷め、3歳秋に屈腱炎で引退。わずか6戦でしたが種牡馬としての評判は高く、初年度から200頭超の交配がありました。
産駒の現状
2023年に種牡馬を引退し、今はパカパカファームで過ごしています。リーディング上位に来るタイプではありませんが、重賞馬を3頭(モズベッロ・セダブリランテス・エルトンバローズ)出しており、G2制覇・G1複数好走という実績は残しています。
代表産駒
| 産駒名 | 主な勝ち鞍・特記事項 |
|---|---|
| エルトンバローズ | ラジオNIKKEI賞(G3)・毎日王冠(G2)・マイルCS2着 / 産駒で最上位の実績。4連勝でG2制覇 |
| モズベッロ | 日経新春杯(G2)・宝塚記念3着・大阪杯2着 / 道悪のG1で好走を重ねた産駒の象徴 |
| セダブリランテス | ラジオNIKKEI賞(G3)・中山金杯(G3)/ 重賞2勝。父と同じ中山を得意とした |
3頭に共通しているのは、瞬発力勝負ではなかったということです。モズベッロは道悪のG1、セダブリランテスは中山での2勝、エルトンバローズは中距離の流れるレース——キレで勝つタイプというより、タフな条件で粘り強く戦えるのがディープブリランテ産駒の色合いです。
産駒の距離・コース適性
距離適性
得意は芝の1800〜2200mあたりで、距離が延びて消耗戦になるほど良さが出てきます。マイルもこなせますが、短距離はちょっと合わない感じ。2400m超になると気性面で折り合いを欠く馬が出てくるので注意です。
| 距離 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 芝1800〜2200m | ◎ 主戦場 | ここが一番安定する距離帯。ペースが流れて持続力勝負になるほど強くなる。代表産駒3頭全員がこのゾーンで実績を作った |
| 芝2200〜2400m | ○ 得意 | 長めも合う。日経新春杯(2500m)を勝ったモズベッロが示した通り、距離を延ばして合う馬もいる |
| 芝1600m前後 | ○ 対応可 | エルトンバローズがマイルCS2着。スローの瞬発力決着よりペースが流れるマイル戦の方が合う |
| 芝1200〜1400m | △ 短め | 走れないわけではないが、スプリント向きの血統ではない |
| ダート全般 | ✕ 向かない | 基本的に芝向きの血統。ダートでは成績が落ちる。芝→ダートの転換は割引でいい |
コース適性
中山・中京・新潟(外回り)あたりが安定します。東京のスローからの瞬発力決着はキレ味型のディープ系産駒の土俵で、こちらは得意ではありません。逆に馬場が渋ってペースが流れ始めると一気に出番が来るイメージです。モズベッロが道悪の宝塚記念3着・大阪杯2着を出したのがその象徴です。
| 競馬場・条件 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 中山・中京(芝中距離) | ◎ 得意 | 急坂・立ち回り力が活きる。セダブリランテスの中山金杯、エルトンバローズの中距離実績がその裏付け |
| 重馬場・道悪の芝 | ◎ 強い | 雨が降ったらまずチェック。モズベッロが体現した「道悪ディープ系」として、穴狙いの軸に使いやすい |
| 洋芝(札幌・函館) | ○ 対応可 | 欧州血統由来のパワーで洋芝も苦にしない |
| 東京(スロー瞬発力戦) | △ やや苦手 | 上がり32秒台の切れ味比べはキレ味型のディープ系に分がある。人気でも信用しすぎない方がいい |
成長型
早熟でも晩成でもなく、わりと幅広いタイプです。2歳から動ける完成度の高さはあるんですが、精神面が整う3〜4歳以降に本格化する馬も多い。エルトンバローズが3〜4歳で重賞を連勝したのもその典型で、若いころ詰めが甘かった馬が古馬になってから一変するケースがあります。見切るのは早すぎることが多い血統です。
母父(BMS)との相性
| 母父 | 評価 | 産駒の特性・代表馬 |
|---|---|---|
| ブライアンズタイム(Roberto系) | ◎ 好相性 | エルトンバローズ・セダブリランテスが代表格。Roberto系のパワーと粘りが加わり中山・中距離重賞で結果を出した。産駒の最高実績はこの組み合わせから出ている |
| Harlan’s Holiday(Storm Cat系) | ○ 好相性 | モズベッロが代表格。Storm Cat系の底力が加わって道悪G1での好走につながった。重馬場適性がより強くなる組み合わせ |
| SS系全般(ハーツクライ・ステイゴールド等) | ○ 対応 | 日本の主流繁殖との配合。スタミナが加わって中長距離向きの産駒が出やすい。大崩れはしにくい |
馬券の狙い方まとめ
- 道悪・重馬場の芝(雨が降ったらまずチェック。モズベッロが証明したように重馬場での回収率が高い)
- 芝1800〜2200mのペースが流れるレース(スローよりハイペース向き。消耗戦になるほど出番が来る)
- 中山・中京の芝中距離(急坂と立ち回り力が活きる。人気薄でも舐めない方がいい)
- 3〜4歳以降に本格化するタイプ(若いころ詰めが甘かった馬でも古馬で一変するケースがある)
- ダートコース(ほぼ走らない。芝→ダートの転換は割引でいい)
- 東京・良馬場のスロー瞬発力決着(キレ味比べはキレ味型のディープ系の土俵。人気馬でも疑っていい)
- 芝1200m以下のスプリント戦(短距離適性はほとんどない)
- 距離延長で2400m超(スタミナはあるが気性面で折り合いを欠く馬が出やすい)
ディープブリランテ産駒で一番大事なのは「道悪かどうか」です。良馬場のスロー瞬発力戦では他のディープ系産駒に埋もれがちですが、雨が降って馬場が渋ると急に浮上します。種牡馬は引退しましたが、産駒がまだ走っている間は「雨の日の芝中距離」でこの血統を探す価値があります。

