【競馬】宝塚記念の過去10年の傾向から2025年の注目馬と狙い目を予想

【競馬】宝塚記念の過去10年の傾向から2025年の注目馬と狙い目を予想 競馬

上半期のグランプリとして親しまれる宝塚記念。ファン投票で選ばれた有力馬が一堂に会し、熱戦が繰り広げられるこのレースは、春の総決算とも言える注目の一戦です。

近年はさまざまな脚質・血統・枠順の馬が活躍しており、レース展開や馬場状態が勝敗に大きく影響する一方で、一定の傾向も浮かび上がってきます。

この記事では、過去10年のデータをもとに、2025年の宝塚記念における狙い目や注目馬を徹底予想していきます。

2025年宝塚記念の出走登録馬

馬番 馬名 性齢 騎手 母父 前走
1 1 ベラジオオペラ 牡5 横山和 ロードカナロア ハービンジャー 大阪杯1着
1 2 ドゥレッツァ 牡5 横山武 ドゥラメンテ More Than Ready ドバイシーマクラシック3着
2 3 ローシャムパーク 牡6 池添 ハービンジャー キングカメハメハ クイーンエリザベスS6着
2 4 プラダリア 牡6 高杉 ディープインパクト クロフネ 天皇賞(春)10着
3 5 チャックネイト セ7 鮫島駿 ハーツクライ Dynaformer 日経賞2着
3 6 ボルドグフーシュ 牡6 内田博 スクリーンヒーロー Layman 大阪杯8着
4 7 ジャスティンパレス 牡6 ディー ディープインパクト Royal Anthem 天皇賞(春)6着
4 8 シュヴァリエローズ 牡7 北村友 ディープインパクト Sevres Rose 天皇賞(春)7着
5 9 ヨーホーレイク 牡7 岩田望 ディープインパクト フレンチデピュティ 大阪杯3着
5 10 リビアングラス 牡5 坂井 キズナ Curlin 日経賞4着
6 11 ソールオリエンス 牡5 松山 キタサンブラック Motivator 大阪杯10着
6 12 メイショウタバル 牡4 武豊 ゴールドシップ フレンチデピュティ ドバイターフ5着
7 13 アーバンシック 牡4 ルメール スワーヴリチャード ハービンジャー 日経賞3着
7 14 ジューンテイク 牡4 藤岡佑 キズナ シンボリクリスエス エプソムC16着
8 15 ロードデルレイ 牡5 川田 ロードカナロア ハーツクライ 大阪杯2着
8 16 ショウナンラプンタ 牡4 キズナ Zensational 天皇賞(春)3着
8 17 レガレイラ 牝4 戸崎圭 スワーヴリチャード ハービンジャー 有馬記念1着

宝塚記念 過去10年の結果

2024年 重

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 12 ブローザホーン 牡5 菅原 2:12.0 34.0 3 エピファネイア デュランダル 天皇賞(春)2着
2 9 ソールオリエンス 牡4 横山武史 2 34.0 7 キタサンブラック Motivator 大阪杯7着
3 5 ベラジオオペラ 牡5 横山和生 クビ 34.8 5 ロードカナロア ハービンジャー 大阪杯1着

2023年 良

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 5 イクイノックス 牡4 ルメール 2:11.2 34.8 1 キタサンブラック キングヘイロー ドバイシーマC1着
2 6 スルーセブンシーズ 牝5 池添 クビ 34.6 10 ドリームジャーニー クロフネ 中山牝馬S1着
3 9 ジャスティンパレス 牡4 鮫島 1 35.1 2 ディープインパクト Royal Anthem 天皇賞(春)1着

2022年 良

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 6 タイトルホルダー 牡4 横山和生 2:09.7 36.1 2 ドゥラメンテ Motivator 天皇賞(春)1着
2 10 ヒシイグアス 牡6 レーン 2 35.9 5 ハーツクライ Bernstein 大阪杯4着
3 7 デアリングタクト 牝5 松山 2 36.0 4 エピファネイア キングカメハメハ ヴィクトリアマイル6着

2021年 良

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 7 クロノジェネシス 牝5 ルメール 2:10.9 34.4 1 バゴ クロフネ ドバイシーマクラシック1着
2 1 ユニコーンライオン 牡5 坂井 2.1/2 35.1 7 No Nay Never High Chaparral 鳴尾記念1着
3 2 レイパパレ 牝4 川田 クビ 35.0 2 ディープインパクト クロフネ 大阪杯1着

2020年 稍

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 16 クロノジェネシス 牝4 北村友一 2:13.5 36.3 2 バゴ クロフネ 大阪杯2着
2 14 キセキ 牡6 武豊 6 37.2 6 ルーラーシップ ディープインパクト 天皇賞(春)6着
3 12 モズベッロ 牡4 池添 5 37.6 6 ディープブリランテ Harlan’s Holiday 天皇賞(春)7着

2019年 良

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 12 リスグラシュー 牝5 レーン 2:10.8 35.2 3 ハーツクライ American Post QE2世C3着
2 14 キセキ 牡5 川田 3 35.8 1 ルーラーシップ ディープインパクト 大阪杯2着
3 11 スワーヴリチャード 牡5 M.デムーロ 2 35.7 6 ハーツクライ Unbridled’s Song ドバイシーマクラシック3着

2018年 稍

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 4 ミッキーロケット 牡5 和田 2:11.6 35.8 7 キングカメハメハ Pivotal 天皇賞(春)4着
2 13 ワーザー セ7 ボウマン クビ 35.3 10 Tavistock Zabeel ライオンロックトロフィー6着
3 2 ノーブルマーズ 牡5 高倉 3 36.1 12 ジャングルポケット Silver Hawk ドバイシーマクラシック3着

2017年 稍

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 11 サトノクラウン 牡5 M.デムーロ 2:11.4 35.4 3 Marju Rossini 大阪杯6着
2 2 ゴールドアクター 牡6 横山典弘 3/4 35.4 5 スクリーンヒーロー キョウワアリシバ 天皇賞(春)7着
3 8 ミッキークイーン 牝5 浜中 1.1/2 35.5 4 ディープインパクト Gold Away ヴィクトリアマイル7着

2016年 稍

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 16 マリアライト 牝5 蛯名 2:12.8 36.3 8 ディープインパクト エルコンドルパサー 目黒記念2着
2 9 ドゥラメンテ 牡4 M.デムーロ クビ 36.1 1 キングカメハメハ サンデーサイレンス ドバイシーマクラシック2着
3 3 キタサンブラック 牡4 武豊 ハナ 36.8 2 ブラックタイド サクラバクシンオー 天皇賞(春)1着

2015年 良

着順 馬番 馬名 性齢 騎手 タイム・差 上がり 人気 母父 前走
1 16 ラブリーデイ 牡5 川田 2:14.4 34.8 6 キングカメハメハ ダンスインザダーク 鳴尾記念1着
2 6 デニムアンドルビー 牝5 浜中 クビ 34.0 10 ディープインパクト キングカメハメハ 天皇賞(春)10着
3 1 ショウナンパンドラ 牝4 池添 1.1/4 34.7 11 ディープインパクト フレンチデピュティ ヴィクトリアマイル8着

牝馬の活躍が目立つ宝塚記念

宝塚記念は牡馬・牝馬混合のG1競走でありながら、近年では牝馬の健闘が目立つレースとしても知られています。

過去10年を振り返ってみると、2015年のデニムアンドルビー(2着)、2016年のマリアライト(1着)、2017年のミッキークイーン(3着)、2019年のリスグラシュー(1着)、2020年・2021年のクロノジェネシス(連覇)、2022年のデアリングタクト(3着)、2023年のスルーセブンシーズ(2着)など、多数の牝馬が馬券圏内に入っています

特に近年は、スタミナと瞬発力を兼ね備えた牝馬が宝塚記念で力を発揮する傾向があり、馬場悪化やペースの変化にも柔軟に対応できる点が大きな強みといえるでしょう。

2025年の出走馬の中でも、有馬記念を制したレガレイラのように、牡馬相手でも互角以上に戦える牝馬には注目が必要です。

宝塚記念の血統傾向

宝塚記念は6月中旬という梅雨時期に行われるため、例年通りなら道悪や重たい馬場になる可能性が高く、芝の状態が良くない中でのレースが多くなります。そのため、このレースでは「軽いスピード」よりも、パワーやスタミナを兼ね備えたタイプが好走する傾向にあります。

特に注目すべきは、欧州型の血統を持つ馬の好走率が高いことです。代表的な例としては、2020年・2021年と連覇したクロノジェネシス(父バゴ)や、2019年に圧勝したリスグラシュー(父ハーツクライ×母父欧州型American Post)が挙げられます。いずれも道悪を苦にしないスタミナ・パワー型で、タフな条件下でのレース展開に強みを持っていました。

一方で、瞬発力を武器とする軽いスピードタイプや、良馬場専用のディープインパクト系などは馬場が悪化するとパフォーマンスを落としやすく、評価を下げる必要があります。

このように、宝塚記念では「血統背景から見た馬場適性の見極め」が非常に重要になります。スタミナとパワーを秘めた欧州型の血を持つ馬は、積極的に狙っていく価値があります。

宝塚記念で好走した欧州血統の代表例

宝塚記念では、雨の影響を受けた力の要る馬場や、スタミナとパワーを問われる展開が多く、欧州血統を持つ馬が上位に食い込むケースが目立ちます。ここでは、実際に宝塚記念で好走した代表的な欧州型血統の馬をいくつか紹介します。

● クロノジェネシス(父:バゴ)
2020年・2021年と宝塚記念を連覇した名牝。父バゴは欧州ナスルーラ系で、道悪巧者かつスタミナに富んだ血統背景が特徴です。重馬場の2020年では5馬身差の圧勝を見せ、翌2021年も好位から押し切る堂々の競馬。宝塚記念の“欧州型血統=好走”を象徴する存在といえるでしょう。

● リスグラシュー(母父:American Post)
2019年の宝塚記念を快勝し、その後コックスプレートや有馬記念も制した名牝。父はハーツクライですが、母父が仏ダービー馬のAmerican Postという欧州型の底力血統。当日はややタフな馬場でしたが、直線で突き抜ける強い内容で、宝塚記念でのスタミナ型血統の強さを見せつけました。

● マリアライト(母父:エルコンドルパサー)
2016年に8番人気で優勝したマリアライトも、欧州型の影響を色濃く持つ1頭。母父エルコンドルパサーはキングマンボ系でその母は欧州型サドラーズウェルズ系の影響を受けた重厚な血統。持久力勝負となった不良馬場の中で牡馬を一蹴し、牝馬での優勝を果たしました。

● タイトルホルダー(母父:Motivator)
2022年の覇者。父はドゥラメンテ(キングマンボ系)ですが、母父Motivatorは英ダービー馬という欧州の重厚血統。パンサラッサのハイペースを2番手追走から、持続力勝負に持ち込んで圧勝しました。小回り+スタミナ戦という宝塚記念の典型的な勝ちパターンを体現した1頭です。

これらの馬に共通するのは、「道悪適性・スタミナ・パワー」といった軽さより重さが求められる資質を持っていることです。宝塚記念では、こうした欧州型の血を持つ馬が毎年のように馬券に絡んでおり、今後も予想の重要なファクターとなるでしょう。

欧州型血統を持つ2025年宝塚記念出走馬一覧

宝塚記念は、欧州型のパワー・スタミナを持つ血統馬が活躍しやすいレースです。ここでは、2025年出走登録馬のうち欧州型血統の影響を色濃く受ける馬をリストアップします。

馬名 母父 欧州血統要素 コメント
レガレイラ スワーヴリチャード ハービンジャー 母父が欧州スタミナ血統 有馬記念勝ち。宝塚のタフ馬場にも対応可能
ローシャムパーク ハービンジャー キングカメハメハ 父が欧州型スタミナ血統 パワー型の代表。宝塚向き
アーバンシック スワーヴリチャード ハービンジャー 母父が欧州型 長距離での持続力勝負に強い血統構成
ベラジオオペラ ロードカナロア ハービンジャー 母父が欧州型 先行力+母父ハービンジャーで道悪もこなす
ジャスティンパレス ディープインパクト Royal Anthem 母父が米国型だがパワー寄り欧州血統 スタミナ要素を補うバランス型
ソールオリエンス キタサンブラック Motivator 母父が英ダービー馬 宝塚記念2着、欧州型持続力が武器
チャックネイト ハーツクライ Dynaformer 母父ロベルト系で欧州寄りの重厚血統 スタミナと持続力に優れる

宝塚記念の枠順傾向

宝塚記念は阪神芝2200mの内回りコースで行われるため、枠順の有利不利が比較的はっきり出るレースです。過去10年のデータを見ても、枠によって成績に大きな差があることがわかります。

枠順 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
1枠 0 2 2 11 0.0% 13.3% 26.7%
2枠 1 1 2 12 6.3% 12.5% 25.0%
3枠 2 2 1 11 12.5% 25.0% 31.3%
4枠 0 0 1 17 0.0% 0.0% 5.6%
5枠 1 2 1 15 5.3% 15.8% 21.1%
6枠 0 1 1 18 0.0% 5.0% 10.0%
7枠 0 2 1 19 0.0% 9.1% 13.6%
8枠 6 0 1 17 25.0% 25.0% 29.2%

内回りコースということもあり、1~3枠の複勝率は安定傾向にあります。特に3枠は勝率12.5%、複勝率31.3%と好成績。また、8枠の勝率25.0%という数字は特筆すべきもので、外枠不利という一般的な印象に反して爆発力があることを示しています。

一方で4枠は過去10年で3着が1回のみと、もっとも不振な枠。進路が詰まりやすい中途半端なポジションが影響している可能性があります。

内でロスなく立ち回れる器用な馬、または外から勢いよく差してこれる末脚タイプなど、枠順と脚質の組み合わせが宝塚記念では非常に重要なファクターになることを押さえておきましょう。

宝塚記念の脚質傾向

宝塚記念は阪神芝2200m(内回り)で行われるため、小回りコース特有の機動力と持続力が求められます。ラストの直線が短く急坂もあるため、いわゆる“瞬発力一辺倒”の馬よりも、早めに動いて長く脚を使えるタイプが好走する傾向にあります。

過去10年の傾向を見ると、好位~中団から早めに押し上げていく「持続型の差し・先行馬」が最も安定して好走しています。一方で、極端な追い込み馬は展開や馬場に左右されやすく、ハイペースや馬場悪化がない限り届きにくい印象です。

また、タフな馬場になった年は先行勢が苦しくなり、差し馬が一気に台頭するケースもありました。特に雨の影響を受けた年は、パワー型の差し馬が外からまとめて差し切る場面も目立っています。

今年の出走馬においても、「位置を取れる持続型の先行馬」か「機動力ある中団差し馬」が中心。馬場や展開次第で差し馬を穴候補に加える戦略が有効です。

2025年 宝塚記念の予想

2025年宝塚記念の現時点での予想です。
今後、枠順や馬場状態などによっても変わってくる可能性があります。

◎レガレイラ
有馬記念で歴戦の牡馬を一蹴。成長力、末脚ともに魅力十分。母父ハービンジャーの血で宝塚向きのパワーと持続力も兼備。牝馬が好走する傾向にも合致。8枠の牝馬は2020年クロノジェネシス、2019年リスグラシュー、2016年マリアライトと過去10年で3勝を上げているデータも追い風。

〇ベラジオオペラ
2024年宝塚記念3着、先行力と立ち回りに長けており、大阪杯勝ち馬としての完成度は高い。宝塚との相性も悪くない。

▲アーバンシック
スタミナ+重厚血統で阪神2200mへの適性は高い。末脚の破壊力は重賞級で、日経賞3着からの成長余地を評価。地力勝負になれば台頭も。菊花賞馬は過去10年でタイトルホルダー、キセキ、キタサンブラックなどが好走しており、相性○。

△ロードデルレイ
大阪杯2着の実績があり、先行力と立ち回り力で上位食い込み可能。川田騎乗も含めて積極策を取れば馬券圏内あり。

☆ローシャムパーク
欧州型スタミナ血統で宝塚向きの構成。渋った馬場や持続戦での浮上に期待。展開や馬場が噛み合えば一気の突き抜けも。

注ドゥレッツァ
宝塚記念と相性の良い菊花賞馬。前走ドバイシーマクラシック3着、前前走ジャパンC2着と復調気味。菊花賞に強いキングカメハメハ系で同じ父ドゥラメンテ産駒ではタイトルホルダーが2022年に勝利している。