ロジャーバローズ産駒の特徴と傾向まとめ【幻の種牡馬が遺した血統を徹底分析】

ロジャーバローズ産駒の特徴と傾向まとめ 競馬

12番人気でダービーを勝ったとき、あの結果を当てた人はほとんどいなかったはずです。

種牡馬入りから5年が経った2024年6月、産駒がJRAを走り始めたばかりの頃にロジャーバローズは疝痛で亡くなりました。まだ8歳でした。今いる産駒が最後になります。

血統背景

ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ウインドインハーヘア Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere
リトルブック Librettist Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Mysterial Alleged
Mysteries
Cal Norma’s Lady リファーズスペシャル Lyphard
My Bupers
June Darling ジュニアス
Beau Darling

父ディープインパクト × 母リトルブック(母父Librettist)です。

母父LibrettistはDanzigの仔。Danzigはスプリント系のスピードと底力で知られる系統で、日本では「キングヘイローの父の父」と言えば分かりやすいかもしれません。一瞬のキレより持続するスピードを産駒に伝える血です。母母Cal Norma’s LadyにはLyphard(リファーズスペシャル経由)が入っており、欧州系のしなやかさも混じっています。

牝系もかなりのもので、母リトルブックの半姉がドナブリーニ——ジェンティルドンナの母です。ディープインパクトにDanzigを合わせた配合は、切れ味より「長く伸びる」産駒を出しやすく、ロジャーバローズ自身の走りはまさにその典型でした。

現役時代

6戦3勝。ほとんど語るべきレースは1つです。

2019年の日本ダービー。12番人気。2番手追走から直線でそのまま押し切り、レコードの2分22秒6で勝ちました。後続はダノンキングリーをクビ差抑えてのゴールで、単勝は5000円台の大穴でした。

あのレースのロジャーバローズが特別だったのは、ハイペースの2番手で脚を使い続けても最後まで止まらなかった点です。多くのディープ産駒は末脚で差してくるタイプですが、ロジャーバローズは逆で、前で受けて長く粘るのが持ち味でした。Danzigの血がそうさせているのでしょう。

ダービーの後、秋に右前浅屈腱炎が発覚して現役引退。2020年からアロースタッドで種牡馬生活を始め、2024年5月に疝痛を発症、同年6月に急死しました。

産駒の現状

2025年現在、重賞勝ち馬は出ていません。産駒最上位の実績はオーキッドロマンスのリステッド1勝(カナダのパラダイスS)です。

「ダービー馬の産駒」という看板の割に、JRAの重賞では4〜5着止まりが続いています。ただ、出走数に対する勝利数自体は悪くなく、じわじわと勝ち星は積み上がっています。産駒数が少ない分だけデータの母数も少ないので、今後古馬クラスで何頭かが重賞に届くかどうか、見ていくしかない段階です。

代表産駒

産駒名 主な勝ち鞍・特記事項
オーキッドロマンス パラダイスS(リステッド・カナダ)/ 産駒最上位の実績馬
マテンロウバローズ スプリングS4着 / 重賞で好走歴あり
サクセスカラー クイーンC4着 / 牝馬重賞で存在感
オメガウインク フィリーズレビュー5着 / 芝短距離路線で活躍
テリオスサラ 芝で安定した好走 / 堅実な成績を積み上げるタイプ

重賞では惜しいレースが続いています。G1馬を出すにはもう少し時間がかかりそうですが、重賞クラスに通用する地力はあります。

産駒の距離・コース適性

距離適性

父がダービー馬なので中長距離向きと思われがちですが、産駒の成績は短距離〜マイルの方が数字が出ています。母父Librettistから伝わるDanzigのスプリント適性が、距離適性を父の現役距離より短めに引っ張っているのだと思います。

距離 評価 コメント
芝1200〜1600m ◎ 主戦場 複勝率が最も高い距離帯。Danzig由来のスピード持続力が活きる。短距離〜マイルで安定感が増す
芝1800〜2000m ○ 対応可 ペースが流れる展開での先行粘り込みが決まりやすい。父の現役スタイルが出るのもこの距離帯
芝2200m以上 △ 距離が長め 母系のスタミナで対応する馬は出るが、基本は中距離以下向き
ダート全般 △ 向かない 芝向きの血統。ダートは成績が落ちる。芝→ダート転向は慎重に

コース適性

中山での単勝回収率が特に高いです。先行して小回りのコーナーを上手く回り、最後まで踏ん張る——このパターンが一番決まりやすいコースです。東京の長い直線でキレ勝負になると、純粋な末脚型のディープ系産駒には分が悪くなります。

競馬場 評価 コメント
中山・中京・阪神 ◎ 得意 先行して急坂・小回りをこなす持続力が活きる舞台。単勝回収率が高い
福島・小倉・ローカル ○ 対応可 コーナーが多い小回りコースは基本的に合う
東京・京都(外回り) △ やや苦手 長い直線での瞬発力比べでは純粋な末脚型に劣る。人気馬でも過信禁物

成長型

2歳からデビューして動けますが、本格化は3歳以降が多い印象です。父自身が3歳のダービーで一気に才能を見せたように、産駒も3〜4歳にかけて走りが変わるタイプが出てきそうです。産駒数が少ないのでまだ断言はできませんが、若いころに詰めの甘さが目立った馬を古馬になってから見直すのは有効な戦略だと思います。

母父(BMS)との相性

母父 評価 産駒の特性・代表馬
スニッツェル(Snitzel) ◎ 好相性 オーキッドロマンスが代表格。スプリント系のスピードが加わり短距離〜マイルで完成度の高い産駒が出やすい
Frankel ○ 好相性 サクセスカラーが代表格。欧州型のスタミナと持続力が加わり芝中距離向きの牝馬が出やすい
SS系全般(ハーツクライ・ダンスインザダーク等) ○ 好相性 日本の主流繁殖牝馬との配合。スタミナ補填で中長距離向きのタイプが生まれやすい
Red Ransom(Roberto系) ○ 対応 オメガウインクが代表格(母父Red Ransom)。Roberto系のパワーで馬場が渋ったときに力を発揮

馬券の狙い方まとめ

積極的に買える条件
  • 中山・中京・阪神の芝1200〜1600m(持続力とコーナーの立ち回り力が最も活きる条件)
  • ペースが流れる先行有利の展開(バテずに持続するのが最大の武器。スローの瞬発力戦は不向き)
  • 稍重〜重馬場の芝(Danzigの底力で時計がかかる馬場に対応しやすい)
  • 3歳以降の古馬戦(成長型は充実期が3歳春以降。古馬になっての一変に注目)
  • 産駒数が少ないだけに人気が集まりにくい穴場(知名度が低い分、配当妙味が出やすい)
消せる条件
  • 東京・京都外回りのスロー瞬発力決着(キレ味型のディープ系に差し負けやすい)
  • 芝2200m以上の長距離(父の距離実績よりも産駒の適性は短め。特に母系がスタミナ型でない場合)
  • ダートコース(芝向きの血統。ダートでの好走例は限られる)
  • 「ダービー馬の産駒」として過大評価された人気馬(実績より人気が先行しているケースは割り引き)

ロジャーバローズはもういません。しかし、産駒は今もターフを走っています。父が12番人気でダービーを制したように、産駒も人気薄での激走が十分考えられる血統です。「ロジャーバローズ産駒だから」という理由で切られている馬が、中山・中京の芝マイル前後で流れる展開に出くわしたとき——そこが最大の狙い目です。

種牡馬別産駒傾向まとめ